Tommy's Jazz Caf'e
Drawing of Scott and Bill by Royston Edwards
エヴァンスが天才ラファロを語る
レアな音源も収録、ファン必聴!

10月14日にアメリカで発売になったばかりのアルバムが届きました。モダン・ジャズ・ベースの革新的スタイリスト、スコット・ラファロのメモリアル・アルバム。やっとラファロのリーダー作登場?録音状態は悪いが内容は?

Tommy's Jazz Caf'e
Pieces of Jade/Scott LaFaro(1961/Resonance)
Don Friedman(piano/1-5,8)
Scott LaFaro(bass/1-5)
Pete LaRoca, drums(1-5)

1. I Hear a Rhapsody
2. Sacré Bleu(Take 1)
3. Green Dolphin Street
4. Sacré Bleu(Take 2)
5. Woody'n You
6. My Foolish Heart
 (Rehearsal Tape: Bill Evans & Scott LaFaro-1960)
7. Interview with Bill Evans by George Klabin 1966
8. Memories for Scotty
Recorded in New York City 1961 (1-5)

◎このアルバムは以前にも書いたように、2004年に日本だけで発売になった、親友のドン・フリードマンの自主制作したアルバム『スコット・ラファロの思い出/ドン・フリードマンとスコット・ラファロ』の音源を再編集したものです(下記参照)。本来はドン・フリードマンのリーダー作。
これはイイ!アルバムとしての完成度はイマイチだと思いますが、新しく本アルバムに収められたビル・エバンスとラファロ、二人だけの22分にも及ぶ《マイ・フーリッシュ・ハート》のリハーサル記録を聴くだけでも楽しいです(ポール・モチアンは参加していません)。
ビル・エバンス・トリオを称賛する時に語られる"インタープレイ"の秘密が解き明かされていく貴重な音のドキュメント。『ワルツ・フォー・デビイ』の《マイ・フーリッシュ・ハート》の演奏になっていくまでの二人のやりとりを、隣の部屋にいながら聴いている感じ(録音が悪いからね)。
『ワルツ・フォー・デビイ』が大好きな方には、ジャズの面白さが手に取るように分るので、貴重な補足音源となるでしょう。ラファロがアルコで合わせている《マイ・フーリッシュ・ハート》が、ちょっとだけ聴けます。オススメ!
7.のエバンスのインタビューは英語が分らないので、後日Ayano*に訳して貰います(笑)。
さて、メインであるフリードマンとのセッションは?フリードマンのピアノがいいです。録音のせいか?ピアノのせいなのか分りませんが、高音部分が琴か大正琴のような音色(音割れしているんでしょうね/笑)。しかし、メリハリの利いた明快なピアノは、程良い都会的なセンスとセンチメンタルな気分を刺激してくれます。オススメは《ウッディン・ユー》、フリードマンの流れるような美しいアドリブと、ラファロにはめずらしい「4ビート刻んでいま~す」が楽しめるだけでなく、ピート・ラロッカの元気なドラムが聴けます。
確かにアルバムとしての完成度はイマイチですが1曲1曲はいい演奏です(1枚のアルバムにするには、曲数、バリエーションが足りません)。初心者にはオススメできませんが、ジャズの楽しみをすでに知っている方には納得の1枚。
*マーク・ジョンソンがライナー書いています。

Tommy's Jazz Caf'e
スコット・ラファロの思い出/ドン・フリードマンと
スコット・ラファロ(1961/カメラータ・トウキョウ)
ドン・フリードマン(p)スコット・ラファロ(b)
チャック・イスラエルズ(b)ピート・ラロッカ(ds)

1. アイ・ヒアー・ア・ラプソディー
2. サクレ・ブルー(テイク1)
3. サクレ・ブルー(テイク2)
4. ウッディン・ユー
5. グリーン・ドルフィン・ストリート
6. ザ・ベアーズ・オブ・バーン(テイク1)
7. 夜明け
8. ザ・ベアーズ・オブ・バーン(テイク2)
9. ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン
10. ラッシュ・アワー
11. メモリーズ・フォー・スコッティ
*1~5がラファロとのセッション。6~10はベースがチャック・イスラエルズ、11はフリードマンのソロ。まぁ、半分以上がラファロには関係ない演奏なので、タイトルから考えると、ちょっと"?"なアルバムであることは確か。発売当時、期待したファンにヒンシュクをかったアルバムです。今回、音源は何も変わっていないんですけどね(笑)。
やっぱり編集って大切!
いいアルバムは編集もいい
『LAデイス1958』はどうなの?

んで、問題は次のアルバムなのですが、11月26日にアブソードミュージックジャパンから『LAデイス1958/スコット・ラファロ』というアルバムがリリースされる予定なのです。アマゾンで予約は取っているのですが、その詳細はまだ明らかにされていません。そこで、オイラの妄想なのですが、これは以下のアルバムのリメイクではないかと思います。勝手に遊んでみました。

Tommy's Jazz Caf'e
West Coast Days-Live at the Lighthouse/
Joe Gordon & Scott LaFaro(1968/Fresh Sound)
1. Our Delight
2. Shelly Manne Introduces Joe Gordon "Summertime"
3. Poinciana
4. It Could Happen To You
5. Commentary By Richie Kamuca "Bass Blues"
*4~5: Ritchie Kamuca (ts) Victor Feldman (p)
Scott LaFaro (b) Stan Levey (d)
"Lighthouse Club", Hermosa Beach, CA, September, 1958

◎1968年に「Victor Feldman Quartet」で録音した『West Coast Days』を『L.A. Days』にタイトル変更?まぁ、国内未発売ですからいろいろ考えたのでしょうが、そのまま出たとしたらかなり微妙、ヒンシュク(笑)。このアルバムではラファロは2曲(4~5)しか参加していません。またジョー・ゴードンとも共演していないんです。もし同じなら輸入盤でいいのでは?ボーナス・トラックがあれば興味がありますが、1968年に限るのなら、ジョー・ゴードンの部分は'60年の録音なので削除して、「Victor Feldman Trio」での演奏の《There's No Greater Love》《Flamingo》《Be Bop》に差し変わっていれば大正解!もしくは「Richie Kamuca Quintet」の『Kamuca-Feldman-Tjader: Featuring Scott LaFaro/Richie Kamuca,Victor Feldman,Cal Tjader』(下の女性ヴォーカルのルース・プライスがジャケットのやつ)の大カップリング大会になるのか?それにしても、ラファロのリーダー・アルバムとはいえないなぁ~、ビクター・フェルドマンのリーダー・アルバム?当時のテレビ番組の未発表音源が見つかったのなら(かなりありそうなんですがね)、それは大事件です。まぁ、アブソードミュージックジャパンの編集手腕に期待。アルバムは編集が大切ですからね!(笑)。
『LAデイス1958/スコット・ラファロ』、詳しくは11月26日を待て!!
$Tommy's Jazz Caf'e このレコードの初CD化が本命?
$Tommy's Jazz Caf'e
Kamuca-Feldman-Tjader: Featuring Scott LaFaro/
Richie Kamuca, Victor Feldman, Cal Tjader (1968/Vantage NLP 5007)
*日本ではテイチクから、2曲ヴォーカル入りのレコードで発売済み。このアルバムを単純に、『LAデイス1958/スコット・ラファロ』とタイトル変更する可能性が最も大きい(泣)。

●tommyの大胆予想『LAデイス1958/スコット・ラファロ』の収録曲。
Kamuca-Feldman-Tjader: Featuring Scott LaFaro
Richie Kamuca, Victor Feldman, Cal Tjader

Frank Rosolino (tb) Richie Kamuca (ts) Scott LaFaro,
Carl Perkins (b) Stan Levey (d) Ruth Price (vo/3,4)
KABC Studios, Los Angeles, CA, April 7, 1958

1. Cherry 
2. Deep In A Dream 
3. You Are Lucky Star 
4. Until The Real Thing Comes Along 
5. Chart Of My Heart 

Victor Feldman (p) Scott LaFaro (b) Stan Levey (d)
November 10, 1958

6. There's No Greater Love 
7. Flamingo 
8. Be Bop 

West Coast Days-Live at the Lighthouse/
Joe Gordon & Scott LaFaro

Ritchie Kamuca (ts) Victor Feldman (p)
Scott LaFaro (b) Stan Levey (d)
"Lighthouse Club", Hermosa Beach, CA, September, 1958

9. It Could Happen To You (It Could Happen To Me) ×
10. Bass Blues ×


◎1968年の音源で、可能性のある曲を書き出してみました。ヴォーカル入りにするかどうかが微妙なところ、でも《You Are Lucky Star》《Until The Real Thing Comes Along》はイキかも?ヴォーカルはイキで『West Coast Days』収録曲の9~10がライブ盤で長いので、これを入れない可能性が大きいんだろうなぁ~、元々別々のアルバムだし、レコード会社も違う。えっ!じゃぁ、ただのアルバム・タイトル変更ツーことですか?まぁ、レコード盤の初CD化ツーことだね。・・・レコード持ってます、ガッカリです~ぅ(笑)。

明日は"おひとりさまジャズ♪"
もっと新しいのがいいんじゃない?