「要旨」
勤務医不足は深刻的で抜本的な対策は無い。大切なことは、医師以外の看護師や薬剤師・放射線技師など多様な医療スタッフの専門化による、チーム医療の推進。
その核が、看護師であり、診療の補助は静脈注射やトリアージなど対象が拡大し、特定看護師の議論もある。そのためにも、積極的な認定・専門看護師の養成が必要だ。



 認定看護師・専門看護師の養成についてお伺いします。
認定看護師は、21分野の熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護が実践できる看護師で、高度化・専門分化が進む医療現場において、実践、指導および相談の3つの役割を果たし、看護ケアの広がりと看護の質の向上を目的として制度化されたものであり、日本看護協会が策定した資格認定制度の資格の一つであります。今年の7月現在全国で12,522名の登録があり、うち560名が本県の登録となっています。


 一方、専門看護師は、水準の高い看護ケアを効率よく提供するための知識や技術を備えた特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有する看護師で、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割を果たし、日本看護協会が策定した資格認定制度の資格の一つであります。昨年12月現在全国で1,048名の登録があり、うち94名が本県の登録となっています。資格の取得には、通算5年以上の実務研修、うち3年以上は認定看護分野の研修があることに加え、認定看護師は6ヶ月以上の教育課程を、専門看護師については看護系大学院修士課程修了者で所定の単位の取得をそれぞれ経て、日本看護協会の試験に合格しなければならないこととなっており、非常にハードルが高いものとなっています。


看護師不足への対応も重要な課題となっておりますが、採用した看護師の資質向上を図っていくことは、医師を含めたチーム医療の質の向上につながることから、より良質な医療を提供していくにあたり欠かすことができないものであるとともに、看護師自身のキャリアアップにも繋がっていくものであります。そこで、県立病院における認定看護師・専門看護師養成に向けた取り組みとその実績・評価とともに、資格取得者に対する処遇についてお伺いします。



なぜ、認定・専門看護師か。医師不足が叫ばれているが、医学部増設が東日本以外にも実現されない限り、抜本的な解決策はない。特に勤務医の超過勤務は顕著で、ブラック企業ならぬブラック職業だ。
医師の大幅な増員が期待できぬ中、どのように医療水準を維持・向上させるかというと、チーム医療だ。すなわち、医師がすべきこと・できることは医師で、それ以外は看護師や薬剤師、放射線技師などの専門家の業務拡大。


そのチーム医療のキーパーソンが看護師。医師の包括的支持の下で看護師は特定医行為ができるが、その範囲は徐々に広がっている。静脈注射にトリアージ、実態としてグレーではあるが、包括的支持の弾力運用でより侵襲高い行為も行われているのではという調査もある。特定看護師創設の議論も。
高度な看護師の養成はチーム医療による医療の質向上や医師負担軽減にも資する。是非とも、取り組んで。