「要約」
・観光産業は成長産業だが、兵庫は近畿で観光資源に乏しい。0から開発する必要性。
・スポーツツーリズムは世界ツーリズム市場の約1割。観光庁も2010年初提起。
・プロアマ問わず競技大会や合宿は経済効果大。ex神戸マラソン59億、総体・国体。
・単発は×。継続的にスポーツイベントを誘致する仕組みが必要→スポーツコミッション。
・インディアナポリスは400超のスポーツ大会開催とスポーツ組織の本部誘致で経済効果20億ドル。
→質問
・スポーツコミッションを創設し、継続的なイベント・本部・MICE誘致を行うべき。



              以下、本文


質問の第3は、「スポーツツーリズムの推進とスポーツコミッションの設立について」であります。


観光産業の振興は私の重要テーマの一つでありますので、今回はスポーツツーリズムをテーマに質問いたします。

スポーツツーリズムは野球やサッカー、競馬などのプロスポーツを「見る」スポーツや、マラソンや登山、ゴルフなどの「する」スポーツを目的とする、ニューツーリズムの一つであります。財団法人日本交通公社の調査では、スポーツツーリズムの市場占有率は国内旅行で15%から20%と予想されているほか、スポーツビジネス社の報告でも、世界のツーリズム市場のうち10%を占めるとされているなど、スポーツを観光の目的とする層は意外なほど多く存在しています。


2010年、観光庁は観光連携コンソーシアム内で初めてスポーツ観光を取り上げ、翌年にはスポーツツーリズム推進基本方針を策定しました。また、スポーツツーリズムと地方のスポーツコミッション創出支援を目的とする一般社団法人スポーツツーリズム推進機構が設立されるなどスポーツをツーリズム資源として開発、推進していく機運は高まっております。
そして、そのスポーツツーリズムを総合的に支援する組織がスポーツコミッションであります。
スポーツコミッションは、スポーツ大会やイベント、合宿の誘致や運営・財政支援を行い、地域振興を行うものであり、2月本会議で私が質問したフィルムコミッションのスポーツ版といえるものです。


アメリカではスポーツコミッションが500を超え、スポーツ産業都市を標榜しているインディアナポリスは全米初のスポーツコミッションを設立し、400を超える国内・国際スポーツ大会が開催され、その経済効果は、累計で 30億ドルを超えると試算されています。競技団体本部の招致も積極的に進めており、全米陸上連盟や全米体操連盟を筆頭に 20以上のスポーツ統括団体がインディアナポリスに本部を置くなど、大きな成果を挙げています。


日本でも2011年にさいたま市が日本初のスポーツコミッションを創設し、本年4月には関西経済同友会の主導で関西スポーツコミッションが設立されるなど、徐々に国内でも活発化しつつある状況です。



我が兵庫県を見てみると、見るスポーツとしては観客動員数でリーグトップクラスの阪神タイガースや、なでしこジャパン主力メンバーを有するINAC神戸が本県に本拠地を置いています。また、するスポーツでもゴルフは日本初のゴルフ場である神戸ゴルフ倶楽部を有するほか、国内2位のゴルフ場数を誇り、ゴルフ場利用税だけで、約45億円の税収を本県に納められています。他にも、神戸マラソンや六甲全山縦走など本県には人気を博しているスポーツがたくさんあります。


これらは、立派な観光資源であり、一つの産業として、開発し、より成長させていくためには、しっかりとした組織と予算が必要であり、それが私の提言するスポーツコミッションの設立です。
そこで、わが兵庫県におけるスポーツツーリズムの取り組み方針とスポーツコミッションの必要性についてどのように認識されているのか、ご所見をお伺いします。