10/1の兵庫県議会一般質問を記載していきます。
知事答弁・再質問は議事録UP後に加筆・修正します。

「要旨」性的マイノリティの人権問題としての課題と今後の対応
・レズやゲイなどの同性愛や性同一性障害者等は種差限らず、人口の5%前後存在する。
・大昔は精神病認定、ここ数十年で単なる好みの問題へと変化by国連&WHO1990年
・同性婚制度やパートナーシップ法など法整備化。性的マイノリティの首相や首長も誕生。
・国内でも性同一性障害特例法や自殺対策大綱、法務局人権冊子に明記など徐々に理解。
→質問
・差別・偏見・社会的不利益の県内実態と人権上の課題としての知事認識。
・兵庫県の人権教育及び啓発に関する総合計画への盛り込み。人権関連審議会への関連団体の参画。


                   以下本文

最初のテーマは、性的マイノリティへの理解推進についてです。

さて、性的マイノリティとは、セクシャルマイノリティやLGBTという呼び方もされております。
LGBTは、女性同性愛者レズビアンのL、男性同性愛者ゲイのG、両性愛者バイセクシャルのB、性同一性障害トランスジェンダーのTから構成されていますが、その他にも多様な性のあり方が存在します。


さて、この性的マイノリティの存在。実は国内でも人口の5.2%いらっしゃるという調査レポートが2012年2月に電通総研から発表されました。イギリス政府の調査では人口の6%など、諸説ありますが、どの国にも人口の5%程度は存在することが定説となっています。つまり、兵庫県内で約29万人、1学級に1人。この議場にも数人いらっしゃる計算になる訳ですが、皆さん方が身近に感じることがないのは、カミングアウトする方が10%以下とごく少数であり、そこには偏見や差別が存在するからです。


男性同性愛者の自殺リスクは異性愛者の約6倍と、最も高いリスクを示し、リスク要因として、いじめ被害者や薬物使用者を圧倒しているという調査結果も報告されています。更に、本年8月に閣議決定された自殺総合対策大綱には性的マイノリティが自殺の要因として取り上げられ、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて、理解促進の取組を推進する。と記載しました。


この性的マイノリティ、数十年前までは精神病と認定されていた時代が長く続いていました。その後、同性愛については、1990年に世界保健機関が「いかなる意味でも治療の対象にならない」と宣言し、疾病の対象から除外され、2008年の国連総会では、「性的志向と性自認に基づく差別の撤廃と人権保護の促進を求める」声明を決議し、日本も署名しています。
現在では性的指向は好みの問題であり、多様性があって当たり前という考え方が一般的であります。


そうした中、世界各国では同性婚制度がオランダ・スペイン・スウェーデン等で法制化、夫婦に準じる権利を同性カップルにも認めるパートナーシップ法もイギリス・ドイツ・スイス等で制定されており、法整備が進んでいます。
また、性的マイノリティであることをカミングアウトした政治家も増加傾向にあり、アイスランドやベルギーでは首相が誕生し、パリやベルリン市長も同様です。
一方、日本では2004年に性同一性障害特例法により、条件を満たした場合、戸籍上の性別変更ができるようになっただけであり、同性愛に関する権利や理解については後進国であるといえます。


さて、わが兵庫県は、人権教育及び啓発に関する総合推進指針において、人権課題として障碍者や外国人、同和問題等を挙げておりますが、性的マイノリティは挙がっていません。性的マイノリティの方々が直面する問題の深刻さや人口等を考えると、今後大きな人権テーマとして挙げるべきであり、本県の「人権教育及び啓発に関する総合推進指針」にも盛り込んだ上で、積極的な対応策を講じるべきと考えています。
そこで、性的マイノリティの人々に対する差別、偏見、社会的不利益について、人権上の課題として、どう捉えているのか、今後どのような対策を推進していくのか、ご所見をお伺い致します。