痛むお尻と肩をなだめつつ、船に行ってきました。
いつもの六甲アイランドです。
乗組員の交代があったので、教育ですね。
こぐの一番大事な仕事です。
例えば、こんな話をしました。
夏になると蚊が出てくるよね?(彼らの国だと一年中出てくるけど)
寝ようとして電気消すと出てくるのがイライラするでしょ?
で、君らはどうするかな?
一匹ずつ手でたたく?
蚊取り線香を焚く?
ベープのリキッドタイプをスプレーって手もあるか。
蚊帳に入るってのもあるよね?(蚊帳はアジア圏のどの国にもあるようです)
みんな、俺はこうする、いや俺ならこうだ、とワイワイガヤガヤ。
酷いのは、子供をエサにして、俺の方に来ないようにするとか、
かみさんの方が栄養たっぷりなので、そもそも俺の方には来ない、とか。(笑)
うんうん、いろんな意見があるよね。
でも、こぐだったら、貯め水とか、排水溝の掃除をするよ、なんでかな?
そう、ボウフラが発生しないようにするんだね。つまり蚊がいなくなるわけだ。
これ、実は蚊の話がしたいわけじゃないの。
「安全」について話をしてるわけなんだよ。
みんなは日頃、軍手したり、ゴーグルしたり、ヘルメット被ってオーバーオール(作業着)着てるよね。
それはみんな安全のためだね。だからそれらを「安全具」っていうんだもんね。
でも、「危険」ってやつは、どれだけ安全具を完全に身に付けても、発生を防ぐことはできない。
だから、「リスク:危険となる要素」を、縮小させることが大事なんだよ。
リスク・ミニマイズっていうことだね。
つまり、ボウフラの発生を防ぐということは、ここでいう「リスク・ミニマイズ」なわけだ。
というような話を、こういう絵を見せながら話すわけです。
理解力を高めるピラミッドという理論があって、話を聞いただけでは、その5%しか理解できないといわれてます。
視覚にうったえる。
かつ自分たちで話し合う:当事者として意識する、ことによって、その理解力も高まります。
それに、大人だって堅苦しい話ばかりじゃ、興味もわかないし、眠くもなるでしょう?
全員が集中して話を聞いてくれるようにはどうすればいいのか、それはひいては、
全員が安全に対して、お互いに注意喚起してくれるようになるにはどうすればいいのか、
ということになるわけです。
なのでこぐは、日夜、どうすればいいか、いろんな工夫を考えたり、教材を作ったりしてます。
教師一族に生まれて、教師になりたくないので船乗りになったんですが、
ふと気づいたら乗組員を教える係になってました。(((*≧艸≦)ププ おかしいなぁ?
満期下船する乗組員には、小学生にいうように、
家に着くまでが業務なんだからね、気をつけて帰ってね。
(9か月の乗船期間を終えて、家に帰れると思ってエキサイティングしてるので、しょうもないケガをしたりする乗組員がホントにいるんです)
君らの奥さんや家族は、君らのサラリーだけを待ってるんじゃないんだよ、
君らが笑顔で帰宅するのを待ってるんだよ、ともいいます。
彼らは結婚して20年経っても夫婦仲がとても良いです。
風土や宗教的な理由かもしれません。何しろ離婚って制度がありませんので。
日本人なら2年だよ!うちのかみさんはサラリー待ってるだけだし、
こぐなんか空気か水の扱いだよぉ!っていうとみんな笑います。
そうやってリラックスさせて(むやみな緊張をほぐして)、帰宅させるのも事故を起こさせない大事なことです。
ほらね、下船者一同いい笑顔でしょ?
彼らが元気に楽しく働けるようにするのがこぐの仕事です。
彼らが元気で楽しく働いていれば、こぐの別の仕事:保険業務が減るわけですから。
明日も六甲へ、2隻の教育に行ってきます。願わくば天気がいいといいなぁ。





