駿河湾から便りが届きました。

あ、正確には駿河湾にいる船の乗組員から届きました。

今頃、桜エビの季節なんですよねぇ。かき揚げが旨いんですよねぇ。

あのエビは、ずっと海中を泳いでるそうですが、じゃ、足じゃなくてヒレの方がいいのでは?

エビにはエビの都合があるのかもしれんけど。(笑)

昔、アジだかイワシだか取りに行った漁船が、ミスって網深く入れ過ぎたら大量に取れちゃったよってのが元々の桜エビ漁の走りなんだとか?

 

 

ところで、こぐが、ここで船のこととか書くもんだから、

最近、船のニュースとか出ると、こぐの会社か?とか、知り合いか?って興味持つようになった方もいらっしゃるようですが、

昨日のニュース、どうご覧になったでしょうか?

コンテナ船が橋にぶつかったっていう奴ですね。

以前日本でも周防大島の橋にぶつかったっていうのがありましたし、

関空への橋にぶつかったってのもありましたね。

各々、状況や原因は違うんですが。

 

 

今回のケース、電源を喪失し、操縦不能に陥ったといわれてますが、

それじゃブレーキかけて停まればいいじゃん?って思われた方いるんじゃないでしょうか?

車の場合、電源切れたらエンジンも止まる、そうですよね?

船の場合、操縦する舵とエンジンとは別システムです。(実際は完全に電力が失われれば、エンジンに燃料送る燃料ポンプが止まったりするので、エンジンも止まります)

車はガソリンエンジンで噴射された燃料を電気プラグで点火するシステム、

船はディーゼルエンジンで噴射された燃料を圧縮することで点火するシステムです。

なので燃料が供給される限りエンジンは動き続けます。

 

さて、エンジンを止めることができたとして、船にはブレーキがありません。

その場に船を停めることはできないのです。

車がブレーキをかけてから停まるまでの距離はスピードによって異なりますが、

通常の道路を走る速度なら30メートルほどでしょうか(空走距離+制動距離)。

船の場合ブレーキがないので、その距離はとても長くなります。

もちろん、何とかして少しでも早く停めようとするので、エンジンを逆回転させたりしますが、

それでも通常の速度で走っていた場合、3キロくらいは走っていってしまいます。

加えて、車はハンドルを切ればすぐ曲がりますが、船は舵を切ってもすぐには曲がりません。

更に、一度曲がり始めたら、今度はなかなかまっすぐに戻りません。

 

このため一説によると、満載の大型タンカーでは衝突の30分前に、

何をしても衝突してしまうことがわかるといわれています。

 

雪道を滑り始めてしまった車の制御ができない、という感覚に近いでしょうか。

そのまま行けば、ぶつかるのがわかってるけど、ハンドルを切ってもブレーキ踏んでも何もできないという状況です。

 

テレビで何度も流れている、コンテナ船が橋にぶつかる場面、

実は背景にこういう事情があったのだ、とちょっとでも、ご理解いただけたら、見方も変わるかなと思ったので書いてみました。

 

因みにニュースでやる前に、いつものルートで、こぐの処に情報届いてました。(笑)

シンガポール船籍ってだけでなく、傭船社がデンマークの有名会社だってことも。(((*≧艸≦)ププ