いつもの通り、夜9時に寝たのですよ。
10時過ぎに起こされましたよ。
船にPSC(ポートステートコントロール)っていう、官庁の査察が入ったと。
基本的にどの船にも3か月内に1度以上入る(突然やってくる)ことになってますので、
あまり驚きはしませんでしたが、指摘された項目が、わけわからんと。
船員の契約書関係なので、こぐに対応してほしいと。
へいへい、と起きてメール見たら、先に酔いどれが船長に指示出してました。
これは、労働協約にこう書いてあるのだから、指摘自体がおかしいのではないか?と。
けど、その船の船長、そこそこ優秀、まあ、うちの船長でいったら2番手なんですよ。
その程度のことは説明できたはず。
で、指摘されたのは船員の雇用期間についてでした。
船員の契約期間は9か月+/-1か月ということになってます。
これは船の動静で交代できるか(港に入ってるかどうか)があるから余裕を設けてます。
通常船員さんは、9か月乗って、3か月休み、これは国際船員組合も了承していますし、
各船籍国(パナマとか)も、最大でも12か月を超えてはいけないという決め方をしています。
なので、うちの船員も9か月+/-1か月と契約書に明記しています。
指摘されたのはこうです。
1か月に9日間の有給休暇が認められている。
最大10か月乗船するとしたら、有給休暇分は9×10=90日になる。つまり3か月となる。
その場合、10か月乗船+3か月で13か月になるから、国際法違反だと。
正直、その検査官バカではないですか?って思いました。 Σ(゚д゚)オイオイ
こぐも長いことこの仕事してきていますが、そんな指摘受けたのは初めてです。
陸上職の場合、たぶん有期の契約の場合も、土日休み、就業時間8時間最大40時間とか書かれるんでしょうけど、
海上職についてはそれはありません。
何時から何時まで、と書かれるだけです。
なぜか?
実際には、時間外が多く発生せざるを得ないからです。または仕事でも休憩でもない時間もあるからです。
安全ミーティングとか、各種の訓練(消火とか、脱出とか)は仕事時間には入りませんからね。
大洋上の船の上には、消防も警察も来ません、全部自分たちで解決しなければいけません。
だから例えば船長なんかは、時間外規定はない、とさえ書かれているんです。
(24時間いつでも必要に応じて働き、すべてに責任を持たねばならないから)
インドとか、アジアなどで、お金が欲しいために、難癖付けられることは多々ありますが、
今回はベルギーの港でした。あまり考えられないんですけどね。
ともあれ、組合の規定上も問題ないとの説明を事細かく書いて、参考文献もpdfで合わせて送りました。
既に12時回ってました。;つД`)
PSCは全世界でいくつかのグループがあって、ベルギーは日本と同じグループなので、
週明けに正式に抗議しようと思ってます。
(その指摘だけで、彼らは本船の出航を止めることができるのです)
