

これ見たら、ホントなにも言えんね。
こぐの経験なんて20年そこそこだけど、
こんなのは、写真でも見たことないかも。
戦時中の言い方なら大破?
まるで雷撃を喰らったようだもの。
先週、別の船から帰るとき、
急遽この船に来てくれって言われて、
そのまま来たけど、まさかここまでとは思わなかったわ。
岸壁には反対舷が着いてたから、
上から覗くことしかできなかったしな。
当局やコーストガードが、
元船長のままでは出航を認めないっていうんで、
なんとか乗ってきたけど、
今更ながらに震えが来るね。
これ、ちょっとうねりが高かったら、
船、折れて沈んでたわ。
乗組員も、改めてこれを見て、
よく助かったもんだ!っていってる。
原因はタイタニックとほぼ一緒なんだな。
氷山じゃなく、別の船だけど、
どういう風にすれ違うかを無線で確認していたのに、
急に反対側に大きく転舵した結果、
この始末なのだ。怪我人がでなくて幸いだった。
これ、修理しても完全には直らないと思う。
船体にねじれと歪みが入っちゃってるからね。
泣くしかない状態なのだ。
船長は、なぜ転舵を命令したのか覚えてないという。
というか、わからない、と。
航海士が、何度も注意換気したのに。
何十億円もの損害、恐らく船一隻作った方が早くて安い。
その船長は、初日こそ悄気てたものの、
元気に食事を食べまくり、
奥さんに電話して、もうすぐ帰るから、といっている。
まぁ、ノイローゼになって海に飛び込まれるよりはよかったが。