
ばあちゃんが死んだ。
2年ほど前から近所の介護施設に入ってたんだけど、
どうも車いすに乗るようになってから、一気に衰えたような気がするな。
人って、やっぱり無理矢理にでも、歩いたり、動いたりしてないと、
表情もなくなっていくし、衰えが加速するね。
それにしても、こぐが家にいるときで良かった。
うちの某放送協会の弟も偶然休暇中で、東北新幹線でやってきた。
従兄弟や親せきも久々に集まった。
ここ数年、正月に集まることもしなくなっていたから、
たまにはみんなで集まりなさいっていうことだったのかもしれない。
大正4年の生まれで96歳だった。
二人目の息子(こぐ父だな)を産む前に夫が出征し、そのまま帰ってこなかった。
戦後一人でその息子二人を育て上げた。
今頃は65年ぶりに夫と会って、いっぱい溜まった話をしているんだろうか。
坊さんが所用で来なかったけど、却って良い式だった気がする。
みんなで、いろんな話ができた。
ばあちゃんは小学校もろくに出てない学もない人間だったけど、
一生懸命独学で漢字を覚えて、商船学校の寮にも手紙を送ってきてくれた。
高く晴れわたった秋の日に、
ばあちゃんは、7人のひ孫と、自分の育てた息子や孫に囲まれて空に帰って行った。