君に好きでもないのに「好きだよ」と連呼した夜。
嘘に嘘を重ねた君への気持ち、今となって遠い過去の記憶の欠片。
傷付けあっていた僕達だった。
そんな僕達は、心の隙間を埋めていただけだったんだ。
時間を気にせず夜明けまで電話で話した夜には戻らない。
君が、見ず知らずの無能の鷹の爪で大人にされたのは何時の話?
帰りの遅いアノ夜の「疑問」を素直な気持ちを裏切るのには十二分な「まさか」で聞かされて目の前を暗くした。
言葉を忘れた僕は、頭を抱えて大好きな巣の中で目から雫を落としていたんだ。
思い出したくない空白の時を埋めきれるだけの「何か」が欲しい。
僕には、迷った末に口を割った君を許すだけの余裕が無かった?
あまりにも長過ぎるアノ夜に、泪交じりの大きな声で結論へと急いだ僕の声が受話器を通して耳に入る。
過ちに気付けなかった君は、言葉を忘れたように沈黙を続けていたんだ。
後悔先に立たず。気付いた時には遅すぎる事を知った君は何処へ?
手に残る君の香りが耐えられなくて消した夜
noteの隅に書かれた君の名前はただの落書き