春眠、暁を覚えず 破いた障子の穴から覗いた庭園には君がいつになく綺麗に咲き乱れていたね
季節が分からない僕は三度目の初夏 歩けない
睡眠時間はエントロピー増大の法則に従って僕は布団の中で時を刻み続けていたんだ
言葉を話せない僕は五度目の初夏 「・・・・・」
夢を見た夢を見ていた月明かりが差し込むこの部屋で 僕は君とあの祇園で遊んでいたかっただけなのに
手足の無い僕は七度目の初夏 壊れて
閉じ込められたこの部屋で聞いた鐘の音 定期的に刻んでいるか?
何処かに置き忘れてしまった夢 叶わなかった夢