【映画評】ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング そろそろシリーズも潮時か… | 模型づくりとか趣味の日々リターンズ

【映画評】ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング そろそろシリーズも潮時か…

先行上映で観ました~ありがたいことにDolby Cinemaで。

 

米国が開発したAI”エンティティ”が自律し暴走を始め、あらゆるデジタル情報を操作し人心を混乱させ、世界を把握しようと試みる。各国はこのAIを自国のものとし、世界の覇権を得ようと画策。IMFのエージェントであるイーサン・ハントはこの状況に危機感を抱き、このAI自体を破壊しようとする。AIの破壊にはまず沈没したロシアの原潜に潜入し”ソースコード”を入手しなければならない。ソースコードの入手には”鍵”が必要。これは2本の鍵を組み合わせることによって使用可能となる。鍵を入手しようとするイーサン達の前に立ちはだかったのは、イーサンの過去を知る男であり、今はエンティティの手下である男ガブリエルであった…

 

で、ガブリエルを阻止し、鍵を無事入手するところまでが「前作の」ストーリーでありますwww

 

感想があちこちで出始めてますが、みんな同じようなところで??てなってますね。

 

要するに、風呂敷畳めなかったんです。

 

敵が実態の無いAIだってことがそもそもの間違いで、当シリーズがイーサンが体を張ったアクションで敵を倒さないとならない以上、実態のある敵を出さないとならない。そこでガブリエルの登場となるんですが、そもそもAIにしてもガブリエルにしても、人類抹殺した上でどうしたいのか、最終的な目的が見えてこないから、映画観ながら「これ何のためにやってんの?」と首をひねることが多くてどうにもスッキリしない。

 

そういう根幹がしっかりしてないから、各登場人物の行動やら起きてる出来事もブレブレで、話の展開に無理やり感が付きまとってしまう。

 

ラストを「イーサンの体を張ったアクション」に収斂させるために考えられたであろう、映画後半の流れは強引というか解りにくいというか。

 

細かいところも突っ込めばキリがない…ソースコードを破壊するための必殺アイテムをルーサーが「半田ごて」で作ってたりとかww

 

ガブリエルとイーサンの因縁も深堀りされないままだし。

 

まー勝手な推測ですが、前作が本シリーズの根幹を問い直し、イーサンの存在の意義とか意味まで問い直すような重い内容だったのを、ちょっと止めてアクション主体に舵を切り直したんじゃないでしょうかね?そのせいでイロイロ伏線がほったらかしになっちゃったと。あとM:Iシリーズはイーサンのアクションに頼りすぎ。チームプレイ&騙し騙され最後に大逆転もこのシリーズの醍醐味ですから…(ローグ・ネイションのラストなんか、それはもうお見事で…)

 

シリーズ続くかどうかわかりませんが、シリーズ物の宿命で、敵を考えるのが難しくなってくる。前よりも強くないとならないし、社会情勢に沿ったものでないとリアリティが無い。007は主役の交代で上手く新陳代謝していたので、いよいよM:iシリーズもそのタイミングかもしれません。シリーズ始まって30年。あの寅さんだって30年だからね。寅さんにAI持ち込んだら何て言っただろうね。「(寅)なあ満男、AIってぇのはなあ、ありゃあ人の心ってのが、入ってねえや。入ってるように見せるのは上手いが、元は冷てぇ機械の箱よ。厚化粧で誤魔化してる年増のババアみてぇなもんよ」「(つね)誰が厚化粧の年増のババアだって!?」「(寅)違う違う…」あ、どうでもいいですね。
 

まあイロイロ書いてきましたが、確かにアクションは大したもので、お金払って劇場で観る価値は十分!どころかお釣りが来るくらいで。あまり難しいことは考えず、コーラとポップコーンで楽しんでいただければ良いかと。

 

なお個人的には今回パリス姐さんがイチ押しです。もちろんアクションはキレッキレだし、すべてが終わってラストにメンバーが再会するシーンで、バッチリメイクで髪を整えた姿で現れてニッコリ…いや惚れました!