【映画評】チェルノブイリ アメリカさんはロシアの悪口言う時は元気だなー。 | 模型づくりとか趣味の日々リターンズ

【映画評】チェルノブイリ アメリカさんはロシアの悪口言う時は元気だなー。

チェルノブイリでございます。

映画では無くてAmazon prime videoのシリーズ全5話です。2019年の作品で少々時間が経ってしまっているのですが、連休の一気見にオススメと某ネット記事にあったので観てみました。

 

えと…史実に沿ってるんだよね?ひでえじゃんこれ。だれも防護服なんて着てないし、原子炉の蓋がぶっ飛んで炉心が露出してるのを「お前見に行ってこいや」と部下に行かせるし、原発周辺の住民は火事見物に来て全員死んでるし、偉い人が集まった会議では屁理屈つけて情報隠蔽を決めて、その場にいた全員が大喝采したり。いや~まさしく全体主義の恐怖ですな。

その中で事実を公にして当時の責任者を告発する科学者が最後にどうなるか…というところが作品のラスト。

 

米英が作ったドラマで、全員英語でしゃべってるのに、ロシア人に見えるところが不思議。セットも完璧で隙が無く全編ロシアロケに見えてくる。細部のリアリティの積み上げが全体のリアリティを生み出している。1h×5話というボリュームも適切で、飽きずに全話観られる。

 

技術面もすごい。被爆者の全身の細胞が壊死し、やがて死に至る描写とか。本当に凄惨。被爆の悲惨さをリアルに再現し世に問おうとする、特殊メイク班の執念が感じられる。

 

福島の原発事故を経験した国民として、「あったかもしれない」原発事故とその悲惨な経過を、我々は観ておいた方がいい。うむ。

 

ただ一方で…

 

これだけ被爆の描写が出来るなら、広島長崎の描写も出来るよねえ…

オッペンハイマーで被爆者の姿を妄想する場面あったけど、なんか顔の皮膚がヒラヒラしてて…あれ、リアルには作れない理由があるのかと思ってたけど、そうじゃないんだと思い…

 

自分の方は棚に上げてロシアの悪口言う時は元気だなー、とも思いました。ハイ。