【映画評】シャドウ・イン・クラウド ヒットガール主演のB級SFアクションは退屈しのぎにはなる…
シャドウ・イン・クラウドでございます。
「キック・アス」のヒットガール役で注目されたクロエ・グレース・モレッツが主演です。
この方、愛嬌のある顔でわりと好きなんですが、女優としてはあまり作品に恵まれてはいないというか、まあ正直言ってパッとしないです。「イコライザー」の女子大生役なんかはわりと地味だけど印象に残ってまして(「魚釣れた?」の名台詞がある)主役を張るより地味だけど光る脇役で活躍しそうなタイプに思いますが。
で、今回は主役です。
第二次大戦の爆撃機に、大事そうに荷物を抱え「密命を受けた」と言って突如乗り込んできた女性兵士は、一応空軍兵士としての経験があるらしいが、胡散臭いと言われて機銃座に押し込められる。
飛んでいる飛行機の翼に取り付く、コウモリのような謎の生き物を発見し、機内に通報するも相手にしてもらえない。そして一同は日本空軍機と謎の生物とに襲われ闘うこととなる。
映画の前半は、ほぼ機銃座に座るクロエの画のみで進行する。この辺、70~80年代の低予算B級映画を思い起こさせ懐かしい。この場合、役者さんが顔演技でがんばるしかないが、クロエは実に真面目にやっている。荷物の正体が分かってからの泣き芝居、見事日本空軍機を撃破する場面、機銃座を出てからの、翼を移動するトンデモ演出(いや、トム・クルーズがやるならわかるんだけどね)も、ラストの謎生き物とのガチのどつき合いに至るまで、クロエさんがんばってます。
密命とやらの正体も、女性兵士の必死の行動の理由としては十分説得力があるでしょう。あるんですけど、件のカバンの扱いが、それはもう荒っぽくて、んなわけねーだろ!!とツッコミたくなります。
いろいろとツッコミたくなることも全て含めて!土曜の夜にポテチとビールで観るには文句なし!の一本です。まあいいじゃないの!(笑)とは言え、テーマの一つが強い女性を描くことってのはわかるけど、エンドロールで延々移る女性兵士の姿はベタ過ぎて少々興ざめ。もう少し含みを持たせるというか、言外に語るということを、この監督さんは考えた方がいいですね。はい。