【映画評】シン・仮面ライダー(2回目) 庵野監督のドキュメンタリー見て追記
「ドキュメント『シン・仮面ライダー』~ヒーローアクション 挑戦の舞台裏~」を視聴。
驚きました。
にせライダーがCGなのは予算不足と勝手に考えておりましたが、パンフレットの読み込みが足りなかったです。
ちゃんとスーツ作って撮影までしてるんですね。
それでも必要な品質に達していなかったと全部ボツにして、CGにしたとのパンフレットの記述を見つけました。
なるほど、思い切った決断だと思います。
いや~…それでも本編のシーンは観るのきつかったです。
暗闇で、動き激しくて、ピカピカ光って、何が何だか全く分からない。
それと、にせライダーが機関銃撃つってのは…
戦闘員だったらいいんです。でもショッカーの改造人間が飛び道具使うなよ、肉体で戦えよ。
思い切った決断だったとしても、代わりに提示されたものがアレではなあ。実写の方がよほどひどかったのか。それともCGに切り替えたはいいが、既に時間も予算も尽きてあのようになったのか。
それとチョウオーグとの闘い。
スタッフが「泥仕合」と称する、くんずほぐれつのシーン。
いかに超人的なパワーがあっても、双方が強ければ、闘っても決着がつかず、最後には力果て、こういう流れになってしまうだろうというのは、確かに理解出来ます。
でもしっくりこないなー。なんでだろう?
そうか。クモオーグにライダーキックかました時、コンクリが割れてクモオーグめり込んでた。あれだ。
ターミネーター2でシュワちゃんとt-800がどつき合ってたシーンで、お互いに胸倉つかんで相手を振り回し、体が壁にぶつかった時に、鈍い音たててコンクリの壁が破壊されてた。
普通に床を転げまわってたんではただの人。だから泥仕合でも床やら壁が砕けるとか。疲れてパンチも当たらなくなって、壁とかにあたって壁に穴空いて。最後は穴だらけの室内でお互い膝ついてハアハアやってるとか。
あと、また別のシーンになるけど、一文字が本郷に「俺は誰とも群れない」とか言って去って行ってから、単身でショッカー基地にバイクで向かう本郷を橋の上から見ているんだが、気が変わるの早すぎ。ここ無しにして、トンネルで本郷がやられてるときにいきなり出てきて助けるシーンにつなげればカッコ良かったんだが…
こんな風にラストにかけてイマイチなシーン畳みかけられて、すっかりテンション落ちてしまいました。
ドキュメンタリー見ていると、庵野監督は自分も答えを持ってないのに、周囲が出してくる案にダメ出ししてくるという、上司だったらきわめて困るパターンのお人のようです。でもクリエイターだし、庵野組の皆さんは慣れてるから大丈夫なんでしょう(エヴァのドキュメンタリーでも、ちゃぶ台返ししてたもんなあ)。シンゴジとシンウルはアクションシーンはほぼCGだったけど、生身の人が演じるアクション映画だと、こういうことになるんだなあ。希代の天才作家庵野秀明と、支える庵野組の方々、これからもがんばって下さい(と、なんのオチにもならない終わり方をするのであった)。