【映画評】ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 直球でいいじゃん | 模型づくりとか趣味の日々リターンズ

【映画評】ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 直球でいいじゃん

アカデミー作品賞ぜんぶ観る~ということでやっております。

今回は「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」でございます(タイトル長いって…)

 

普段だったらまず観ないジャンルの作品なんですが、観たら観たでイロイロと発見があるんですね~

原作は『若草物語』なんですが、Wikipediaによるとそもそもが少女時代と結婚に至るまでの二部作になっているそうで、日本で知られている若草物語は一部目なんですな。今回の映画はこの一部と二部の時系列が同時進行で語られていて、最近こういうの多いんですが、昔はセピア色、現代はブルーがかった色と、色味で区別しやすく工夫されています。

 

で、昔の部分、四姉妹がきゃいきゃいやっているあたりは全く入りこめなかったんですが、現代の方は全員がそれぞれ課題を抱えている。この辺から引き込まれます。旦那が稼げず貧乏で苦労する長女、作家を目指すが目が出ない次女、病気がちな三女、画家を目指すがパッとしない四女。

 

四女が「女性にとって結婚は経済問題」と言い放つ場面。ああ、この作品をあえて今改めて映画にする理由はこの辺なのだなと。

ただ、女性の自立がテーマというだけでなく、幸せな結婚も依然としてあるのだとの描写もあり、この辺素直で良いなと思いました。

 

役者さん皆さん達者です。押しも押されぬハリウッドスターであるエマ・ワトソンが、本当に貧乏で苦労してるように見えるんだ、これが。表情がいいよ実に。ただ若手の男性陣はみんな同じに見えて区別つかなくて困った。

 

個人的には四姉妹の母親のローラ・ダーンが良かった。姉妹たちを一歩引いた立場で見守り、大事なところでフォローする姿が実に良くて。って、「マリッジ・ストーリー」の弁護士の人か!?何やらしても上手いなー。

 

名作を現代なりの解釈とテーマで、変にひねらず素直に描いた本作。たまには直球もいいじゃん!と思わせました。