【映画評】運び屋 いやそれは犯罪ですから。反省しなさいよ。
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ある分野で一目置かれる存在であり、尊敬と賞賛を浴びていた爺さんだが、一方で家庭を蔑ろにし、孫娘を除いて家族には見向きもされない。時代の流れに負けて商売をたたむことになっても当然ながら居場所が無い。そんな時に車を運転するだけで大金の入る仕事を得ることになる。でもそれは麻薬の運び屋という、犯罪に加担するものだった、という話。
安易に手に入る大金で、寄付やら支援を行い、また賞賛され尊敬を受ける。どんどん元気にイケイケになっていく様子が上手い。そのうちギャングの手下に説教までし始め、手下は手下でおじいさんに振り回されていく。その様子が何ともおかしく痛快ではある。
でも爺さん、運んでいるのが麻薬であることは途中でわかるわけで、分かっていながら止めるわけでもないっていうのは相当罪深いよ。運んだ大量の麻薬が大量の不幸を生んでるわけだから(その辺の葛藤とか一切無い)。最後家族に許されちゃうのもわからんな。「あーこのオヤジは最後まで迷惑かけて!」て絶縁されるだろ普通。
最後の方は「早く逮捕してあげて~止めさせて~」とハラハラしながら見てましたが、本人がどう思っていたかよくわからない。面白い爺さんなんだが、あまり尊敬できる人ではなかった、ということでいいのかね?悪い奴に描かれているわけでもないんで、どう解釈したら良いのやら、最後はスッキリしない映画でありました。