今回も久々の更新になってしまいました。
定期的に更新しなくてはいけないのはわかっているのですが、コロナ禍でなかなか受講出来ませんでした。レヌ・アロラ本校もアロラさん自身が高齢のため閉鎖となり、こちらの宇都宮支部もコロナで半年位休眠状態だったそうです。コロナ以前の日常が早く戻って来てくれることを願います。

 そんなわけで今回も本格的な北インドスタイルの料理3品でいってみたいと思います。


ケララチキンローストとありますが、内容的に南インドというより北インドスタイルですね。カシューナッツが使われていてムガル料理のようです。ムガル料理とは昔ムガル帝国の王様が食していたメニューで、羊肉、チキン、牛肉などの肉類をカシューナッツや乳製品でコクととろみを出す贅沢なスタイルです。日本のインド料理の王道ですね。

 

 チキンローストといっていますが、仕上がりは汁けのあるチキンカレーのような感じです。通常のチキンカレーと違うのは、チキンをあらかじめスパイスに漬け込み素揚げしてから使うという点です。ひと手間かけるだけあってより一層旨味が増しています。


 イカとタコのカレーですが、こちらはココナツミルクを使った南インドスタイルで、むしろこっちのほうが「けらら」といった感じです。しかし、タコを使ったカレーというのは珍しいですね。イカとタコの旨味が効いています。やはりココナツミルクの風味と魚介類は良く合いますね。


 舞茸とじゃがいものサブジですが、インドでは舞茸ではなくアミ茸を使うそうです。舞茸の食感とじゃがいものホクホク感がいい味だしてます。


 きゅうりのアチャールはインドの漬物です。きゅうりだけでなく、玉ねぎや豆類などと混ぜてもおいしいです。カレーの箸休めにぴったりです。

ケララチキンロースト
材料(4人分)
・骨付き鶏もも肉または手羽元・・・500g位
 

下味の材料
・コリアンダーパウダー・・・大さじ1
・レッドペッパー・・・小さじ1
・ガラムマサラ・・・小さじ1
・ターメリック・・・小さじ1/2
・にんにく、しょうがのすりおろし・・・各大さじ1
・ブラックペッパー・・・小さじ2/3
・塩・・・小さじ1

・玉ねぎ(みじん切り)・・・300g
・にんにく、しょうがのすりおろし・・・各小さじ1
・青とうがらしのみじん切り・・・3本
・トマト(ざく切り)・・・2個

スタータースパイス
・マスタードシード・・・小さじ1

パウダースパイス
・コリアンダーパウダー・・・大さじ2
・レッドペッパー・・・小さじ1
・ガラムマサラ・・・小さじ1
・ターメリック・・・小さじ1

・カシューナッツペースト
・カシューナッツ・・・30g
・水・・・50cc位

・水・・・500cc
・塩・・・小さじ1
・サラダ油・・・大さじ2
・パクチー

 

作り方
1.鶏肉の皮をはぎ下味の材料に漬け込んで一晩おく。
2.カシューナッツは水と合わせミキサーでペーストにしておく。


 

3.鍋にサラダ油を熱しマスタードシードを入れ弾けて来たら玉ねぎのみじん切りを茶色くなるまで炒める。


 

4.にんにく、しょうが、青とうがらしを入れ香りが出るまで炒める。


 

5.トマトのみじん切りを入れ水分が飛ぶまで2分位炒める。


 

6.パウダースパイスと塩を加え、カシューナッツのペーストを加える。

 

7.水を加えひと煮立ちさせる。(カレーベース)


 

8.漬け込んでおいた鶏肉を素揚げする。


 

9.カレーベースに素揚げした鶏肉を入れ20分位弱火で煮込んで出来上がり。





イカとタコのココナツカレー
材料(4人分)
・イカ・・・1ハイ
・タコ・・・200g
・カリフラワー・・・150g
・にんにく、しょうが・・・各20g
・玉ねぎ(みじん切り)・・・1個
・サラダ油・・・大さじ3
・トマト(ざく切り)・・・1個
・トマトケチャップ・・・大さじ1(なくても可)

パウダースパイス
・コリアンダーパウダー・・・大さじ1
・クミンパウダー・・・小さじ2
・ターメリック・・・小さじ1
・レッドペッパー・・・小さじ1
・塩・・・小さじ1

・水・・・100cc
・ココナツミルク・・・400cc
・パクチー・・・適量

作り方
1.イカとタコはともにぶつ切りでカリフラワーは小分けにしておく。
2.鍋にサラダ油を熱し玉ねぎを色づくまで炒め、にんにく、しょうがのすりおろしを加え香りが出るまで炒める。


 

3.トマトのざく切りとトマトケチャップを加えトマトの水分が飛ぶまで2分位炒める。


 

4.パウダースパイスと塩を入れ、ココナツミルクを加えひと煮立ちさせる。


5.水を加え沸騰したらイカ、タコ、カリフラワーを加え10分位弱火で煮込んで出来上がり。


舞茸とじゃがいものサブジ
材料(4人分)
・舞茸・・・400g
・じゃがいも・・・3個
・にんにく、しょうが・・・各10g
・玉ねぎ・・・1個
・サラダ油・・・大さじ3

スタータースパイス
・クミンシード・・・小さじ1
・赤唐辛子・・・2本

パウダースパイス
・コリアンダーパウダー・・・大さじ1
・ターメリック・・・小さじ1
・レッドペッパー・・・小さじ1
・塩・・・小さじ1

・水・・・50cc
・ミックスピクルス(賽の目に切る)・・・大さじ1
・パクチー・・・適量

※ピクルスとパクチーはなくても可

作り方
1.じゃがいもは下茹でしておく。舞茸は食べやすい大きさに切り、にんにく、しょうがはすりおろす。
2.鍋にサラダ油を熱しクミンシードを入れ泡立ってきたら赤唐辛子を入れる。


 

3.にんにく、しょうがのすりおろしを入れ、玉ねぎのみじん切りを入れ色づくまで炒める。


4.舞茸、じゃがいもを入れよく混ぜ合わせたらパウダースパイスと塩を加える。


 

5.水を入れなじませたら、蓋をして10分位弱火で蒸し煮する。最後にパクチーとピクルスを入れ混ぜ合わせたら出来上がり。


きゅうりのアチャール
材料
・きゅうり・・・2本

漬け込み用
・塩・・・小さじ1
・オリーブオイル・・・小さじ1
・レモン汁・・・1/2個
パウダースパイス
・コリアンダーパウダー・・・小さじ1/2
・クミンパウダー・・・小さじ1/2
・パプリカ・・・小さじ1/3
・レッドペッパー・・・小さじ1/4

作り方
1.きゅうりは小さく乱切り。
2.漬け込み用材料を混ぜ合わせきゅうりを漬け込み20分程ねかせたらできあがり。

 

 


これが仕上がりです。(右下から時計廻りに)ターメリックライス、アチャール、イカとタコのココナツカレー、舞茸とじゃがいものサブジ、ケララチキンロースト。

 今回は北と南の混合メニューでした。チキンローストはナン、イカとタコのカレーはご飯で食べるといいですね。野菜のサブジはナンやご飯で食べるより、質素だけれど味わいのあるチャパティに巻いて食べた方が美味しいと思います。
 じゃがいものサブジをチャパティで巻いて食べれば気分はすっかりインド人!。これこそインド庶民の味といった感じです。

 次回は東インド、西ベンガル料理に挑戦したいと思います。ベンガル料理はまだ日本にはあまり馴染みがないかもしれませんが、シンプル且つスパイシーなその味わいは日本人好みと言われています。主にコルカタ周辺の料理ですが、食材は川魚が多く、他に豆類や野菜がメインになります。スパイスの特徴はパンチホロンといったミクスホールスパイスをスタータースパイスとして多用します。パンチホロンとはクミン、フェンネル、カロンジ、フェネグリーク、ブラウンマスタード等のホールスパイスを等分に混ぜ合わせたミクススパイスです。パウダースパイスはターメリック、コリアンダー、チリパウダー位であまり多くを用いません。
材料も手順もいたってシンプルです。シンプルゆえに素材の持ち味を最大限に引き出す料理法は和食に通じるものがありそうです。今から楽しみです。