西インドのカレー事情
 先日5日間の短い日程で西インドのボンベイとオーランガバードへ行ってきました。ここではあくまでカレーを中心とした話をします。

まずはオーランガバードのタンドールというレストランの食事です。
レストラン タンドール
 
とろみのついた野菜スープ
 
メインディッシュ
 オーランガバードはイスラム教徒の多い町なのでタンドール料理が多いです。これはナンとチキンコルマ、アルゴビ、ライス、ダールタルカのプレートです。
 ナンは日本の物より形も真ん丸で厚みがない感じですが味は全く同じです。今までインドでナンを見かけたことがなかったのでインド人はナンを食べないのかと思ってましたが、イスラムの街では普通に見かけました。街の至る所の食堂でも普通に店先にタンドール釜があり、チキンなどのタンドール料理も売ってました。インド人でもイスラムの人たちにとってナンは日常食なのですね。インド人は普段ナンを食べないのかと思ってましたが誤解でした。
 チキンコルマはヨーグルトとカシューナッツがベースでこってりとしたコクがあり、スパイス少な目で辛味もなくおいしかったです。ただあまりカレー感はなし。アルゴビは少し水気が多くスパイス感も少なくちょっと物足りない味でした。ダールタルカは豆をふんだんに使っているらしくポタージュ感たっぷりでおいしいのですが塩気が強すぎました。なぜか中華風の野菜スープもついてましたが、片栗粉でとろみを出したその味は塩味で以外にもいけました。このレストラン、味はまずまずといったとこ。
 
次はアジャンタへ行く道々で休憩したレストランのカレーです。
ホテルサイミランと名前だけは立派ですが建物はこんな感じ・・・。
 

カレーは3種類。上段左からエッグカレー、チキンカレー、ダールタルカ。
 辛味結構強くサラサラで南インドスタイル。他チャパティとライス、プレーンサラダ。具材とスパイスのみで作る庶民的な味でこれといった特徴は感じられませんでした。
 
最後はムンバイの西インド料理ベジレストラン。ここはおいしかった。
チェターナという本屋さんと一緒のレストラン。
 

まずチャツネ類。手前から市販されてる青とうがらしのチャツネ、ミントとパクチーのグリーンチャツネ、赤唐辛子のペースト、黒砂糖を煮詰めたソース。
 
メインデイッシュは手前から時計回りにロティとチャパティとパパド、揚げ餃子の様なものはパコラ、左は甘いミルク粥のようなもの、ダールタルカ、アルゴビ、野菜のコフタとほうれん草のピーナツ入りサブジ、チャナマサラ。左端に写ってるのはチャパティに甘いきな粉の様なものがサンドされて奥側のソースに付けて食べる。ソースはお米のココナツミルク煮でとても甘口。全体的に言えるのは辛さと甘さの両極端。西インド料理の特長である黒砂糖でコクを出しピーナツなどのナッツ類を多用するスタイル。でもこれほど甘くなるほど黒砂糖を使うのは意外でした。
 
後から出てきたのがベジタブルビリヤニとセオのシロップ浸け。
 ダールタルカ、アルゴビ、チャナマサラ等にも黒砂糖で甘味をつけてました。でもその甘味が決して嫌味になることなく料理の味をうまくまとめてます。しかも食べ放題。野菜のみの料理ですが充分満足できる質と量でした。
 
 
珍しいインドの嗜好品パーン
インドのパーンとはいったい何だろう?
食事の後にお口すっきりのマウスフレッシュの噛みタバコ、これがパーン。起源はかなり昔、アーリヤ以前といわれているそうで、アジア特有の嗜好品の一つです。
 インドのパーンは、キンマというコショウ科に属するアリパティーという葉っぱ(緑の青しそを一回り大きくしたつややかな葉)に、ココナッツパウダー、カルダモン、丁子(クローブ)、コリアンダー、アニスなどカレーにもよく使われるスパイスにビンロウジュの実を入れて、丸めて食べる。
 

作り方を動画で見てみます。

作り方の手順
①「キンマの葉っぱ」は水の入ったバケツに入っている。
②葉っぱの裏側にチュンナ(白いペースト)とカート(ベージュ色のペースト)を塗る。
③中身をのせる。スパイス各種とペースト類。その他シロップやジャムみたいなもの。
④限りなくサービスしてくれるみたいで全種類を入れる。仕上げ用の不思議な粉各種
⑤さらに仕上げにいろいろ振りかける。最後に葉っぱに包み出来上がり
 これは先ほどのムンバイのレストランチェターナの店前のパーン屋さんです。食後の口直しとして結構繫盛してました。