ひと味違うおいしいインド風スパイスカレーの作り方
長年カレーを作ってきて今更何を、と思われるかもしれないが、今やっと分かりました。
今まで疑問に思っていたこと、なぜ旨いインドカレー(インド料理)が作れないのか。つまりポイントがズレていたんですね。
 講習でもそう教わったし、レシピ本にもそう書いてある。だからそんなものなんだろうと思っていた。あるいは自分の料理感が鈍いのかな?ってな感じで諦めていた。
 なるほどレシピ本にはそれらしいことが書いてありますが、よく読み込まないと理解できないように書いてあります。その辺は作り手が読み取ってほしいという感じです。なのでここでは分かりやすい様ズバリ言い切ってしまいます。
 インドカレー(インド料理)って炒め物です。香りを重視し、中火で最後まで一気に仕上げる、いわば中華炒めのノリですね。これがポイントです。なので出来立てが一番おいしく、時間の経過とともにおいしさは失われてきます。水を入れて煮込むのは最後。この時はさすがに弱火にしますが、煮込み時間は長くてせいぜい20分です。
 
おいしいインドカレーの3つのポイント
1.おこげ(揚げ色玉ねぎの茶色いおこげ)
2.香り(スパイスを油で焼いたときの香り)
3.香ばしさ(にんにくとしょうがを油で焼いた時の香ばしい香り)
 
この3要素で一気に仕上げる。火加減は最後に煮込む時以外は弱火にはしません。基本的に中火です。
 インドカレーはアメ色玉ねぎではなく、揚げ色玉ねぎです。揚げ色玉ねぎの茶色いおこげがインドカレー(インド料理)をおいしく仕上げます。まさに、そうだったのか!インドカレーってな感じですね。
 では能書きはこれくらいにして揚げ色玉ねぎを作ってみましょう
 
インド風スパイスカレーに使う揚げ色玉ねぎの作り方
 多めの油でみじん切りの玉ねぎを焼いて水分を飛ばしてから、にじみ出てきた油で揚げていきます。仕上がると1,200gの玉ねぎが約半分の600gまで目減りします。
 
サラダ油・・・150ml位
玉ねぎ・・・みじん切り中玉6個位

1.中華鍋またはフライパンにサラダ油を熱し、みじん切りの玉ねぎを入れます。
この時かき混ぜないでください。このまま油で焼きます。
 
2.どんどん水分がとんでいきます。5分に1回位の割合でヘラで返すと茶色のおこげができてます。これを繰り返します。
 
3.茶色い部分がどんどん増えていきます。
 
4.水分がなくなりだんだん油がにじみ出てきました。
 
5.今度はこの油で揚げるような感じで進めます。この時もせわしなくかき混ぜません。
 
6.だいぶ茶色くなりました。
 
7.出来上がりです。揚げ色玉ねぎは焦げ茶色と薄茶色のムラになってます。因みにこの量ですと1時間かかります。
 
 アメ色伝説崩壊!
 今までインドカレーを作るのにアメ色玉ねぎを使ってました。一生懸命焦げないようにアメ色になるまでたまねぎを弱火でじっくり仕上げてました。
 アメ色玉ねぎでインドカレーを作るとメリハリのないボンヤリとした味に仕上がってしまいます。
おいしくなければどんどん煮込んで、たまに隠し味(ソースやケチャップなど調味料)を入れたりしましたが、どんどんおかしな味になってしまいました。
 アメ色玉ねぎはあくまで欧風カレーの玉ねぎの処理です。欧風カレーの場合はアメ色玉ねぎの甘味とコクが煮込み料理としてのカレーをおいしく仕上げてくれます。
 また欧風の場合は一晩おいたほうがよりおいしくなりますね。肉や野菜、その他材料の旨味がじっくりソースに溶け込みとてもおいしくなります。
アメ色玉ねぎを使った欧風スパイスカレーの作り方はまた後日紹介します。
 
 以下の表のように欧風スパイスカレーとインド風スパイスカレーはすべてにおいて正反対。全く別物というのがわかりますね。でも素材はほぼ同じなのです。これが不思議ですね。 
 この点を自分なりに解釈すると、おそらく最初にイギリス人がインド人から教わったときに素材の種類だけ教わり調理の手順は教わらなかった、あるいは教わったとしても、自国のシチューのレシピに還元してしまったのではないかと思います。
 
 それがかえってご飯によく合うシチューカレーができあがった経緯ではないかと察します。 
イギリスから伝わったこのシチューカレーがさらに日本の食文化と相まってさらなる進化を遂げたのが今の欧風スパイスカレーと思われます。 
 
 何かにつけアレンジするのが器用な日本人。特にカレーはアレンジしやすいせいか、結果として米飯文化日本においてバラエティ豊かな一品として仕上がりました。