チキンテッカとナン

  久しぶりに自宅でタンドール料理をやりました。5年前に購入した移動式タンドール窯は今も健在で毎年定期的に火入れしてます。さすがに随分使い込んだので内部はだいぶススで茶色くなってしまいましたが、単純な構造のため他は全く異常ありません。火起こしもだいぶ手慣れたもので、専用の炭起こしを使えばだいたい20分位で炭が起こせます。20分というと長く感じるかもしれませんが、以前は炭起こしを使わなかったので1時間位かかりました。どうしても炭は火起こしに時間がかかるのが難点です。


  最初は安いマングローブ炭などで着火させてからオガ炭を使います。オガ炭は着火性は悪いですが火持ちがいいのが特徴です。タンドール窯は内部温度が400~500度位まで熱さないと熱風の対流が起きないので料理をはじめるまでに時間がかかります。しかしいったん火が起きてしまえばとても火持ちがいいのでじっくり料理に取り組めます。

 

 

 ナンを焼く場合は壁面の温度も重要で、壁がギンギンに熱くなってないとナンを剥がすとき壁に張り付いてうまく剥がせません。ナンを焼く場合は火入れして壁面の温度が十分になってから焼き始めます。ナン生地は水分で壁面に張り付くので、ナン生地のまわりに粉を振ったり油を塗ったりすると壁面にうまく張り付かず落下してしまします。
  また、手で薄く均一に伸ばすのがうまく焼けるコツです。麺棒で伸ばすと中の空気が逃げてしまいナン特有の仕上がり(表面が凸凹した)になりません。手伸ばしや貼り付けなどナンを焼く作業は一見単純そうですが慣れないとこれでなかなか難しいです。

 


 

 チキンテッカは一度オーブンで下焼きしてからタンドールで焼きます。その方が早くしかもうまく焼けます。タンドール窯の熱風で余分な脂と水分がとんで炭の香りと肉のうまみが残った独特の味わいに仕上がります。

 

ナン(10枚くらい)

材料
・強力粉・・・330g
・薄力粉・・・300g
・砂糖・・・大さじ1
・塩・・・小さじ1
・ベーキングパウダー・・・小さじ1
・重曹・・・小さじ1/4
・卵・・・1個
・牛乳・・・240cc
・バター・・・25g
・プレーンヨーグルト・・・130cc

 

1.以上の材料をよく捏ねてまとめ、ラップをして1日ねかせる。
2.10個に切り分けまるめる。
3.手のひらで左右に打ち返しながらできるだけ薄く広げていく
4.タンドール窯がない場合はフライパンで油をひかず蓋をして中火で焼く。

 

チキンテッカ
・鶏もも肉(皮を取り除きひとくち大に切る)・・・300g
・ヨーグルト・・・200cc
・レモン汁・・・小さじ1
・ケチャップ・・・大さじ1
・塩・・・小さじ1
・にんにくのすりおろし・・・1かけ
・しょうがのすりおろし・・・1かけ

 

スパイス
・パプリカ・・・小さじ1
・コリアンダーパウダー・・・小さじ4
・ターメリック・・・小さじ1/2
・ガラムマサラ・・・小さじ1/2
・レッドペッパー・・・小さじ1
・クミンパウダー・・・小さじ2
・食紅・・・少々
・バター・・・小さじ1

 

1.以上の材料を混ぜ合わせでペーストを作る。
2.鶏もも肉とペーストを混ぜ合わせ冷蔵庫で1晩ねかせる。
3.オーブンで焼く。

 

 移動式タンドール窯で焼くナンはどうしても直径20㎝位の丸いナンになってしまいます。窯が小さいので良く焼ける範囲が狭くどうしてもそれ以上の大きさにできません。
  チキンテッカも専用の金串で3個位がちょうどいいです。なので一度に焼ける数が少ないので手返しを良くするにはやはりオーブンで下焼きせざるえません。
  そのかわり味は本格的です。このへんがタンドール窯の威力ですね。

 

  ネットで検索するとタンドール窯を自作する人がいるようです。大き目の素焼きの壺を用意して、それが入るくらいの缶の中へ壺を入れセメントで回りを固めます。そして下方に空気穴をあけ蓋を取り付け完成です。
  市販のタンドール窯ですが、一斗缶サイズの超小型タンドール窯もあるみたいです。但しサイズが小さいのでナンを焼くのに時間がかかります。なので出来上がりが少々固くなってしまいます。柔らかく焼き上げるにはできるだけ高温で短時間で焼くのがコツです。このへん何か工夫が必要ですね。

 

  いずれにしても自宅にタンドール窯があるとインド料理ライフがさらに楽しくなること請け合いです!