ニューデリー編
 最後の1日はニューデリーへ寄ることにしました。一般家庭にお邪魔してカレー講習を受けるためです。講師のアロラさんと待ち合わせ。日本語が堪能なアロラさんはシーク教徒なのでヒゲとターバン姿です。挨拶を済ませると早速市場へ買い出しに出かけました。

 

市場の様子

 

 市場はアロラさんの自宅から程近い場所で、八百屋、雑貨屋、乾物屋とたくさんのお店が立ち並ぶ賑やかなところです。必要な材料を購入後自宅へ招かれる。家族はアロラさん他、奥さん、長女、長男、お母さんの5人暮らし。全員にひととおり挨拶を済ませると早速カレーづくり開始です。

 

料理は主に奥さんが担当し、アロラさんは説明係。


 メニューはバターチキンカレー、マサラポテト、チャパティ、ダールスープ、サグパニールです。サグパニールとダールスープは時間がかかるのであらかじめ作り置きしてありました。なのでバターチキンカレーとマサラポテトを作りチャパティを焼かせてもらいました。

 

 マサラポテトはあらかじめじゃがいもを茹でて角切りにしておきます。

鍋に油をひきクミンシードを熱します。香りが出てきたところで塩、チリパウダー、ガラムマサラを入れポテトを加え混ぜ合わせればできあがりです。


 バターチキンカレーですが、まずトマトとローストオニオンをペーストにしておきます。鍋に油を熱しニンニクのすりおろし入れ、ぶつ切りの鶏肉を加え10分位炒めます。チリパウダーと塩を入れペーストを加え10分位煮込みます。仕上げに生クリーム、バターとガラムマサラを加えれば出来上がり。

 


 チャパティは全粒粉を耳たぶくらいの柔らかさまで水で捏ねて1時間くらいねかせます。ゴルフボール位を手に取り、まるめてから麺棒で伸ばし油をひかないフライパンで焼きます。

 

出来上がりです。


左からパパド、ライス、バターチキンカレー、マサラポテト、チャパティ(皿に隠れてます)、ダールスープ、サグパニールです。


 どれもおなじみのメニューで目新しさはありませんがとてもおいしくいただきました。食後はチャイとデザートでしばし歓談。短い時間でしたが貴重な体験をしました。

 

 今回インドで出会ったカレーたちの多くは東京の南インド料理各店で体験済み。よって自分としては想定内の結果でした。それに驚くほどうまいカレーにも巡り会えず、ちょっと肩すかしの感じもありました。レストランには当たり、はずれがあるようですが、むしろ屋台の方が味的にはどこもおしなべておいしかった気がします。

 2週間弱位の旅ですべてのカレーに出会えるとは思いませんが、それでも毎日いろんなところへ食べ歩いたと思います。にも関わらず目新しいものに巡り合えないことを考えるとあらためて日本のカレー事情おそるべし、といった感じです。自分も含めたくさんのカレーおたくが見聞を広め日々奮闘しているからこそこれだけのレベルに達してるのですね。

 

 南インドはデリーなど他の観光地に比べガツガツしているところがなく「安心・安全」全体的にゆる~い感じがしました。もちろん街はあいかわらずの喧騒ですが、郊外の雰囲気はゆったりとしていて自分に合ってる気がします。デリーでは街を歩くとたちまちリキシャや物売りがおかしな日本語で声を掛けてしつこくついてきますが、南インドではそういったことはありませんでした。一日中歩き回っても誰も声をかけてきません。人々もまじめでウソがなく時間にも正確で信用できます。どこを切り取るのかによって感じ方って変わってくるとは思いますが、少なくとも自分はそう感じました。


帰ってきてしばらく経ちますがもう早くも郷愁感におそわれてます。これからも機会があればまた南インドで食べ歩きをしてみたいです。そして今度はさらにディープなインド料理の世界を探ってみたいと思います。