お盆カレー屋巡り

お盆休みを利用してカレー屋巡りに行ってきました。ネットで情報を収集、興味あるお店を中心にスケジュールを組み立てました。今回は南インドカレーのお店を中心に巡る計画です。地元栃木の唯一の南インドカレー屋である益子の「けらら」と東京御徒町の「アーンドラ・キッチン」浅草の「サウス・パーク」へ行きました。番外編として銀座の「ナイルレストラン」と渋谷の「ムルギー」へも行ったのですが、こちらはお盆休みで食べられませんでした。残念!

 

 

益子の「けらら」はほんとに久しぶりに訪問。35年も続いている栃木県唯一の南インドカレー屋です。マスターは東京のインド料理店「アジャンタ」で7年間修業した後地元益子でインド料理店を起ち上げたそうです。スパイシーなさらさらソースに骨付きチキンが1本入ったチキンカレーはまさにアジャンタの味。マスターの妥協を許さないその味のとりこになっているファンも多いそうです。キーマカレーもシナモンとクローブがきいていてスパイシーでクセがなくとてもおいしいです。日本人好みにアレンジしないところにマスターの頑固さが感じられます。

 

  「アーンドラ・キッチン」ですがランチのミールスをオーダー。内容はラッサム、サンバル、インゲンとカリフラワーのポリヤル、ミックス野菜のアビヤル、マトンカレー、ケララチキンカレー、ライス、チャパティ、パパド、アチャール、ラッシーといった内容でした。ラッサムが特においしかったです。酸味は控えめでその分トマトの旨味とスパイスの香りが際立ってました。マトンカレー、ケララチキンカレーもおいしかったのですが、個人的にはもう少し煮込んでもらいたい気がします。日本人の好みでいうとカレーは肉や野菜の旨味をソースにする煮込み料理の感覚があるのでそう感じるのかもしれません。インド人は香りを重視するので長時間煮込んだりしません。また作り置きや一晩おいた熟カレーもありません。そのへんが日本人とインド人の好みの違いですね。きっと日本人はカレーをシチューの延長線上に捉えているのだと思います。ランチセットとしての価格を考えればライス、サンバル、ラッサムはおかわり自由なので全体的に充分満足できました。

 

  「サウス・パーク」ですがベジタブル・ミールスをチョイス。ラッサム、サンバル、豆とインゲンのポリヤル、野菜カレー、なすのクートウ、野菜サラダ、ライス、パパド、アチャールといった内容でした。味的にはベジミールスということで全体的に淡泊な感じがしましたが、どれもスパイスがしっかり効いていて野菜のうまみをよく引き出してます。特に野菜カレーがトマトの酸味とスパイスが程よくマッチしておいしかったです。ラッサムはスパイス感はあるのですが少しあっさりしすぎていたように感じました。サンバルは野菜の旨味と豆のコクがミックスしてほっこりしたやさしい味にしあげてあります。これもおいしいです。もちろんサンバル、ラッサム、ライスはおかわり自由です。ただこの価格からみてちょっと量が少ないかなといった感じもします。

 

  日本のインドカレーのメインは主に北インドにあると思います。こってりとしたチキンカレーをナンで食べるといったスタイルが王道になってます。片や南インドカレーはあっさりしてるけどスパイシーなスープ状
の酸味の効いた辛いカレーをライスで食べるといったスタイルです。野菜を中心とした料理が多いのですが以外にもノンベジも多く肉料理も豊富です。代表的なものでは、ポリヤル(ココナツファインを使った炒め物)アビヤル(ヨーグルトとココナツミルクの煮物)コロンブ(タマリンドの酸味を効かせた煮物)クートウ(豆とココナツミルクを使った煮物。やさしい味です。)その他さまざまな種類のチャツネや揚げ物、イドリやドーサといったスナックなども充実してます。南インドはインド料理の宝庫です。

 

  日本人にはまだあまりなじみのない南インド料理ですが、こういったスタイルもあるのだということを多くのカレーファンにも知ってほしいです。そして地方にも南インド料理のお店が増えるといいですね。