インドカレー食堂「砂の岬」

 以前から行ってみたいと思っていたインド料理店に「砂の岬」があります。場所が遠いのと営業日が少なくタイミングが合わずなかなか行けませんでしたが、今回やっと行くことができました。


  店主はインドとインド料理にかなり入れ込んでいて、年に数回は必ずインドを訪ねて料理の研鑽に励んでいます。それらを含めインド料理店開業までの顛末を1冊の本にまとめ出版されてます。(不器用なカレー屋)その本も読んでみました。とても興味深い内容でインド料理に対する店主の熱い思いが感じ取れおもしろかったです。

 

  普通カレー屋はカレーの臭いに包まれてますが、「砂の岬」はホールスパイスを油で揚げるこおばしい香りにつつまれてました。料理の仕上げの香りを重視しているのだと思います。店の雰囲気もアジアの下町のディープ感うまく演出し、そしてなにより店全体の手作り感がとても好感持てました。

 

 さて肝心の料理ですが,コース予約でウェルカムドリンク→前菜→メインディッシュ→デザート(ドリンク付き)といった内容でした。インドの基本的な味をベースにどれもひと味こだわりの工夫がされています。

 

ウェルカムドリンクと前菜

 

メインディッシュ

 

デザート

 

  たとえば通常アチャールは素材をパウダースパイスと酢、油で漬け込みますが、こちらは素材を下味をつけ素揚げにし、味のアクセントとしてホールスパイスを利かせてます。前菜も季節の野菜(竹の子やわらび等)をうまくスパイスになじませて仕上げてあります。メインデッシュのカレーは看板メニューの「マドラスチキンカレー」と「サンバル」をチョイスしました。


  カレーは適度な酸味をもった南インド特有のさらっとしたソースで、ココナツミルクのコク、チキンの旨味、ホールスパイスの香りが一体となってこれが固めに炊いたごはんにとても良く合います。「サンバル」は野菜のうまみに豆のポタージュのコクがうまく調和してとてもやさしい味に仕上げてあります。デザートはカルダモンパウダーを利かせたシャーベットにスパイスミルクティーをつけました。

 

コースで¥3,900円はインド料理としてはちょっと高めのお値段ですがトータルな満足感は得られます。また機会があれば是非行ってみたいと思います。

 

ラブ・インディア2017

 カレー番長こと水野仁輔主催の年1回のカレーイベント「ラブ・インディア2017」に行ってきました。2013年に続き2回目の参加です。
東京のうまいカレー屋の料理と著名なカレー料理人のカレーがひと盛で食べられるカレー好きにはうれしい企画です。

 

 今回はBターリーをチョイス。内容はチキンビンダルー・チャティナッドマトン・豆のスープ・フィッシュカレー・パオバジとサフランライスでした。
他に物品販売やトークショーなどのイベントもあり、カレー好きが1日楽しく過ごせる工夫がされていました。

画像 左から チャティナッドマトン→チキンビンダルー→フィッシュカレー→パオバジ→豆のスープそしてサフランライス

 

 Bターリーの中ではチキンビンダルーとチャティナッドマトンが特においしかったです。インド料理をベースにナッツ類や乳製品をほどよく利かせ、どれもまったりとコクのある濃厚な味に仕上げてあります。これがインド人にどう感じるかわかりませんが、少なくとも日本人の口に合うインド料理だと思います。ただボリュームと種類に対して値段設定がちょっと高めなのと、並んで紙容器に入れてもらうスタイルはなんとなく炊き出しを思わせます。それでもこの盛況ぶりです。日本には時間とカネを惜しまない熱心なインド料理のファン(オレもか・・・)が多いのと彼らの熱い息ぶきが感じられます。

 

 イベントも含め年々ボリュームアップする「ラブ・インディア」。来年も楽しみです。