4月の料理教室のレポートです。
今月はヨーグルトと生クリームをふんだんに使った白いチキンカレーのムルグ・マライ・コルマ、里いものカレーでダム・アルビ、ベンガルスタイルの豆カレー、そして人参のライタの4品です。ムルグ・マライ・コルマは乳製品でコクをだしたチキンカレーですが、スパイス控えめでクリームシチューの味わいに似ていて優しい味わいです。ダム・アルビは里芋のカレーですが、カレーというよりは汁気のないサブジ(インドのおかず)といった感じです。インド料理としては珍しくケチャップをふんだんに使っているので甘酸っぱい仕上がりです。インドのケチャップはかなり甘いらしく今回はカゴメのケチャップを使ってます。
因みにデルモンテはカゴメに比べ酸味が強くトマトの味が濃いということを先生がおっしゃってました。食べ比べてないので真偽はわかりませんが、確かに国産メーカーは食べやすい味に仕上げてあるのは納得できます。ベンガルスタイルの豆カレーはどちらかというとスープに近い仕上がりです。ベンガルとは東インド一帯の地域で魚料理が豊富です。人参のライタは人参の薄切りをヨーグルトに漬け込むわけですが、仕上げにチョークといってスパイスオイルをからめて香りを引き出してます。日本人の感覚からしてヨーグルトに熱した油を入れるのは珍しいと思いますが、インドでは香りづけによく行われます。油をからめてあるので日持ちしないので気を付けます。


ムルグ・マライ・コルマ(乳製品たっぷりのチキンカレー)
・鶏もも肉・・・400g
・しょうが・・・小さじ1(すりおろす)
・にんにく・・・小さじ1(すりおろす)
・青とうがらし・・・2本
・トマト・・・3個(ざく切り)
・ヨーグルト・・・400cc
・水・・・200cc

スパイスA
・ナツメグパウダー・・・小さじ1/4
・メース・・・小さじ1/4
・クミンパウダー・・・小さじ1
・コリアンダーパウダー・・・小さじ1
・ブラックペッパー・・・小さじ1/2
・カルダモンホール・・・3粒(中の種の擂り潰す)
・シナモンパウダー・・・小さじ1/4

・アーモンドパウダー・・・大さじ2
・松のみパウダー・・・35g
・水・・・40cc
・生クリーム・・・150cc
・塩・・・小さじ1
・フレッシュコリアンダー・・・10g
・サラダ油・・・60cc

 

1.ヨーグルト、生姜、ニンニク、グリーンチリ、トマトをミキサーに入れペーストにする。

 

2.鍋にサラダ油を熱し、松の実ペーストを入れ、よく炒め香りが出たら塩、鶏肉を入れ炒め200ccの水を入れ肉が柔らかくなるまで煮る。

 

3.スパイスAとアーモンドパウダーを加え2~3分煮込む。

 

4.1のペーストと生クリームを入れ、いったん沸騰させてから弱火でコトコト煮込み、仕上げにフレッシュコリアンダーを加え仕上げる。

 

ダム・アルビ(里いものカレー)
・玉ねぎ・・・500g(千切り)
・サラダ油・・・80cc
・しょうが・・・小さじ1(すりおろす)
・にんにく・・・小さじ1(すりおろす)
・フレッシュコリアンダー・・・10g
・トマト・・・200g(湯むきしてざく切り)
・ナッツペースト・・・(カシューナッツ、アーモンドパウダー各100gづつ水100ccでペーストにする)

・水・・・100cc
・レッドペッパー・・・小さじ3
・クミンパウダー・・・小さじ1
・コリアンダーパウダー・・・小さじ2
・ターメリック・・・小さじ2
・ガラムマサラ・・・小さじ1と1/2
・塩・・・小さじ1

・トマトケチャップ・・・150cc
・酢・・・大さじ2
・塩・・・小さじ1

 

1.里芋を素揚げする。

 

2.鍋にサラダ油を熱し、玉ねぎを茶色くなるまで炒めトマトのみじん切りとコリアンダーの茎のみじん切りを炒める。

 

3.ナッツペーストを加え炒める。

 

4.スパイスを入れ弱火でしばらく炒めていったんとりだす。

 

5.同じ鍋にケチャップ、酢、塩、を入れ炒める。

 

6.4のソースを戻し入れる。

 

7.素揚げした里芋を入れソースにからめ水を入れ20分煮込む。

 

8.最後にフレッシュコリアンダーを入れ仕上げる。

 

 


今回はインドでいうと北インドから東インドあたりの料理です。北インド料理はよく乳製品が使われます。油はギーという精製したバターを使い、ヨーグルト、生クリームを使います。また、ナッツ類もよく使います。今回はアーモンド、カシューナッツの他、松のみ(珍しい)も使います。
南へいくとこれらがココナツミルクに変わります。西へいくとピーナツ、黒砂糖が使われます。東へ行くとココナツミルクの他、スリランカ料理でよく使われるモルディブフィッシュをかつおぶしのように乾燥させたものをダシとして使うようです。これらが料理の隠し味、つまりコク出し(うまみ調味料)の役割を果たします。日本ですとかつおだしパウダー等が市販品で売られてますが保存料も含まれているので何となく後味が気になります。自然の料理の様な感じがしません。調味料を使わずスパイスと塩と素材のみで作るインド料理の魅力ですね。
今日の料理はどれもみなコッテリとコクのある仕上がりになりました。少ししつこいと感じるようでしたら乳製品やナッツ類の量を減らしたり、水を多めにしたりして調整するといいでしょう。