第84回全国都市問題会議 | 前橋市議会議員 富田公隆オフィシャルブログ

第84回全国都市問題会議


 第84回となる全国都市問題会議が数年ぶりに、長崎市の出島メッセ長崎で開かれました。

 今回のテーマは、個性を活かして「選ばれる」まちづくり~何度も訪れたい場所になるために~です。

 基調公演では、『民間主導の地域創生の重要性』と題して、株式会社ジャパネットホールディングス代表取締役社長兼CEOの 高田旭人 氏が、長崎スタジアムシティープロジェクトを中心にしながら、今こそ官民プラス地域住民の方々と連携し、地域全体のまちづくりについて取り組む重要性を話されました。

 主報告では、『長崎市の魅力あるまちづくり』と題して、長崎市長の田上富久 氏が4つの視点(①価値を見つける、②価値に気づく、③価値を磨く、④価値を生み出す)で、長崎市の価値を見つめ直したお話しをされ、『都会でもなく、田舎でもない、ちょうどいい長崎らしい暮らしやすさ』がより豊かなものになることで、まちで暮らす人にも、まちを訪れる人にも魅力的なまちとなり、持続可能な地域社会の構築につながると主張されました。

 昼食を挟んで、午後からは、一般報告を3名の方がされました。

 1人目は、島根県立大学地域政策学部准教授の田中輝美 氏から『地域との新しい関わり方・関係人口』について報告があり、地域に多様に関わる外部者としての「交流人口」と「定住人口」に加え、新しい存在としての「関係人口」の重要性についてのお話しがありました。
 首都圏生まれの首都圏育ちといった若い世代が増えたことで、「ふるさと」を持たない「ふるさと難民」が増えているという。また、若者たちが普段から人との「つながり」、安心できる仲間との関係を求めているなかで、地域に残る「つながり」こそが若い世代を引き付ける新しい資源になると主張されました。

 2人目は、山形市長の佐藤孝弘 氏より、『ビジョンを活かしたまちづくり』(~「選ばれる山形市」を目指して~)と題して、山形市が「選ばれるまち」となるためには、市としての明確なビジョンを定め、様々な政策をそれに結び付けて展開することが重要であると主張されました。

 3人目は、一般社団法人地域創造デザインセンター代表理事の高尾忠志 氏より、『「交流の産業化」を支える景観まちづくり』(~長崎市景観専門監の取り組み~)と題して、「長崎市のまちづくり戦略」や「長崎市景観専門監の導入」について報告があり、これまでの景観専門監としての役割を振り返りながら「地域の価値創造を目指す行政組織」が乗り越えるべき課題について、3点(①事業の縦割り、②時間、③人材)に絞って興味深い話がありました。
 今後、地域が抱えている課題解決には、自治体職員が分野融合型にクリエイティブな成果を出す事が不可欠であり、職員育成という「人的資本」と、人のつながりという「社会関係資本」に投資する自治体戦略としても『景観専門監』は非常に重要だと主張されました。

 長時間に及び、それぞれのまちづくりに関する講演を聞き、今後の前橋市のまちづくりに関する取り組みに対しても、非常に役だたつ内容が多く、たいへん勉強になりました。