抗原検査キットが国内初の承認

　厚生労働省は、本日５月１３日付けで新型コロナウイルスの抗原検査キット「エスプライン SARS－CoV-2」を承認した。

　このエスプラインは、臨床検査薬を製造販売する「富士レビオ」（東京都）が開発したもので、国内において新型コロナウイルスの抗原検査キットが実用化されるのは初となる。検査キットは１週間で２０万個が製造され、広く提供できる体制を整えているという。

　「抗原検査」とは、ウイルスに含まれる特徴的な物質を調べる検査で、抗体を使った検査キットに鼻の奥を拭った液などの検体をカセットに滴下し、約３０分でカセット上の判定ラインの有無確認することによって、陽性か陰性かを判断するものです。

　この抗原検査は、PCR検査より精度が劣るため、厚生労働省は陽性の確定判定だけに使う方針だが、抗原検査で陽性となり、せきや発熱などの症状があれば、PCR検査を行わなくても医師が新型コロナウイルスの確定判断に活用できるという。

　ただし、検査の際に感染リスクがあることから、すでにPCR検査を行っていて十分な感染防止対策がとられている医療機関でのみ実施する見通しで、インフルエンザの検査のように一般の診療所等で広く抗原検査が受けられるという事ではなく、当面は東京、神奈川、大阪、北海道などの感染の多い地域を中心に実施されるようだ。

　抗原検査を受ける際の自己負担については、医療機関の診療報酬として検査料を１回６，０００円とするようだが、中央社会保険医療協議会の審議を経て保険適用となる見通しで、PCR検査と同様に患者の自己負担は当面は無く、公費で賄う方向で調整しているという。

　いずれにせよ、この抗原検査キットの承認により検査の迅速化や件数増加が見込まれることになり、検査体制の拡充が図られることは歓迎すべきことだと思います。