好きな台詞:女「(懐中時計を受け取って)あ、素敵な・・・」 | 富岡晃一郎オフィシャルブログ「ブログブログうるさいよ!」Powered by Ameba

好きな台詞:女「(懐中時計を受け取って)あ、素敵な・・・」

三日前に、阿佐ヶ谷スパイダース「失われた時間を求めて」の千秋楽を観た。初日を一度観て、もう一回観たくて行ったら、観させてくれた。

20080527190352.jpg
(本番15分前の三名さん)

2回観てもよくわからない部分はあるし、いろんな感想も聞いた上で観たが、俺的にはやっぱりおもしろかった。見終わってから、ものすごく悲しい気持ちになってしまう。深い悲しみ。ちょっと残酷?でも現実?みたいな?でもあんまり現実みたくないな、曖昧にしときたいな(ていうかしてきたな)、とも思う。スパイダースっていつもそういう芝居してるのかしら。

30年生きてるとそれなりに歴史もあって思い出もある。いろんな人と出会った。苦い経験もしている。先に進むためにそういう過去とどう向き合うのか。考えて来た?あんまり考えたくない。「決断」をするのって、とても残酷でひどい。でも、生きて行くってきっとそういうことで、知らない間に決断してて、他人を傷つけたり傷つけられたりしてる。

最初は奥菜の気持ちに共感して、ずっと奥菜目線で観てた。現実と葛藤してる感じ、わかるわかる。奥菜ステキ。女優としてステキ杉。そんな気持ちで観てたけど、でも最後の方はだんだん、「はっぱ」の気持ちになってる自分がいた(舞台上には大量のはっぱが落ちてる)。「はっぱ!可哀想!がんばれ、はっぱ!」とはっぱを応援してたら、涙があふれて来た。

俺は弱者か!

初日の日にその感想を圭史さんに伝えたら、笑われた。

あるとき女の子の友達が、

「長塚さんの作品を観てると、『燃えるような夜を共にした男が、朝を迎えると完全に背中を向けて寝ている』みたいな錯覚に陥る」

と言っていたが、なんだか納得してしまった。

千秋楽を終えた奥菜と打ち上げでしゃべったとき、「はっぱの気持ちのこともちょっと考えちゃった」みたいなことを言ってくれて、嬉しかった。


20080528201505.jpg
(出てないのに頂いた大入り。ありがたい。しかし出てない打ち上げに顔を出すとこうもやるせない気持ちになるのか)