先日、私もたまに覗いているSNSのジャズギター好きの方々が集まるサイトで


「ジャズってむずかしい?」

ってワードで盛り上がってたんですよ。

様々な意見が交錯して、とても興味深いスレッドでした。

自分としてもジャズとの関わり方というか、距離感をあらためて確認するきっかけになりました。

自分の立ち位置はたしかにジャズのフィールドにいると思うんですが、今の自分の関わり方を整理してみて、書き出してみると

「ジャズっていう言語を借りて、自分の好きな曲を好きなように演奏する。」

って感じでしょうか。


ジャズのアドリブとかは度々、言語に例えられますね。

自分の場合どうやって身に着けていったかってのを思い返すと、挫折の連続で、19才のときに代々木のジャズスクールの門を叩きましたが、グループレッスンの内容に着いて行けず、1年を待たずやめてしまいました。

その頃の授業で使っていたのが、
藤井貞泰さんの「実用ジャズ講座」。

 

 

 

 

当時はついていけなかったものの、とても内容が濃くて、後に強い味方になることを当時の自分には想像できませんでした。

 

このテの理論書や教則本って、出だしの1ページ目から高いハードルがある印象を勝手に持ってしまってたんですが、やはり同じ時期に、「買えばアドリブができるようになるかも?笑」って、祈るような思いで入手した渡辺貞夫さんの「ジャズスタディ」。

 

 

 

 

あらためて最初のページの初めの文を見たら、

 

「コードとは、変転流奔放する楽音の一瞬をとらえた断面である。」…。

 

から始まってるんですよ。

 

おお〜…。

??…チンプンカンプン…。

 

フレーズ集みたいな本を買ってみても、何故その音が選ばれてるのかが分からないこともあり、ちっとも身に着きませんでした。

 

こういう部分だけを取り上げると、演奏するにはたしかに「むずかしい音楽」って印象がついてしまいますね。

 

ただ私は、当時自分が衝撃を受けた「ウエスモンゴメリーやジョーパス、ジョンコルトレーンの世界に近づきたい」って気持ちは心の隅に残ったんです。


 

その後しばらくクラシックギターの世界に入り込み、楽器そのものを弾かなくなった何年間かも含め、しばらくの年月が経ってから、

 

「あ〜…やっぱりジャズやりたいな。」

 

て思い再開しました。

 

さて、何から始めるかなって考えた時、自分はジャズの教則本にさえが入っていけなかったことを思い出しました。

門前払いってヤツ。

 

何が足りなくて着いていけなかったってことを思い返すと、あまりに自分はギターの仕組みや基本、音楽の基礎を知らなすぎた、ってことに気がつきました。

 

自分が鳴らしているその1音はナニ?

 

ってことを全く気にしてなかったんですね。

 

それからは「自分が弾く音は全部説明がつく!」ってのを目標に、度数で考えるとかコードトーンをいろんなポジションで引き出せるようになるってことからやり直し、ようやく教則本とかに入っていけるようになりました。

 

 

自分は教則本に入る前の段階で苦労したわけですが、それって楽器に関係なく共通のことだったりします。

 

専門でやってきたわけではないですが、何名かの方にジャズのアドリブのレッスンをしてきましたが、クラシックやロックからだったり、ピアノの方やフルートの方なんかもいらっしゃいました。

 

中には音大でクラシックを勉強されてきた方もおられ、初歩すぎて申し訳なかったかもしれませんが、本当に「ドレミファソラシド」の音階から見直してもらい、ジャズのアドリブをしようとするときの考え方を知ってもらいました。

 

・度数で捉える

・音階はコードトーンとテンションノートで考える

 ※ハ長調のドレミファソラシドを→1・2(9)・3・4(11)・5・6(13)・7 で考える。

 

から始まり

 

・コードトーンを出せるようになる

・他のコードが設定されたとき、そこのルートからの度数をつかむ

 

で、手始めに何かコード進行があったとき、全部3度の音をつなげて出してみる、とか。

 

そんなレッスンでしたね。

 

例えばクラシックとジャズをそれぞれ演奏することを想定したとき、そもそものフォーマットが違い、クラシックの元々ある音符を演奏するのに対し、ジャズは自分で音符をチョイスするわけだし。

 

どうやってチョイスするかって方法を覚える作業ってことでしょうか。


遠回りのようで、自分としてはこんな作業の積み重ねが結果的には近道になると思ってます。

 

結局「ジャズって難しい」ってワードは昔の理論書や教則本な書き方が難しかったり、そもそもその前に覚えておく基礎の必要があったってことと思えます。

 

英語を話すって時、そのとき自分の知っているフレーズでなんとか最低限のコミュニケーションが取れるし、もっと深く関わっていきたいと思えば、それなりの不可をかけてトレーニングをする必要になるわけだし。

 

今となっては自分としては、ジャズは難しい音楽ではなく、とても間口の広い音楽だと思ってます。


そのときの自分のままで、他の人の音を聴きつつセッションできるし、私は自分の好きなメロディーを好きなようにアレンジしてソロで楽しんだりもしてますし、とても自由な音楽とも思えます。


ある程度その方法が身に着いてくると、アドリブって瞬間的に作曲するってイメージになりますかね。


でも一度身に着けてると、ジャズのセッションの場に限らず、何かポップスの曲とか演奏することになり、


「じゃ次の16小節をアドリブで」


なんて要望が出てきてもバッチリ!で、音楽生活に幅が出て、きっと楽しいものになると思います。