タチウオキングバトルにエントリーしている人たちはみんな真剣だ。故に道具も時間も惜しみなく大会に注ぎ込んで、少しでもチャンスを得ようと出られる限りエントリーしている。私はたった一度のエントリーに賭けている。これで予選通過しようなんて厚かましいのだ。


大会要綱が公開されて、仕事のスケジュールを確認。エントリーは岡田浦の湊丸。貸切で何度か利用したことはあるが、乗合は初。それでも相性のいい船だと感じている。

港に到着は一番手。停めた場所が駐車場でなかったらしく、車を移動させている間にエントリー受付は私一人になっており…

釣座の抽選。

12人中10番。なかなかだ。
 

タチウオは船を流して釣る。風向きにもよるが、潮がどちらを向いても胴がよく釣れる。潮が二枚になるとお祭り回避できる端が有利。
私は舳が好みだが、この順だと残り場所しかなく、左舷の前からふたつめに入れた。残り福かな
 
最近の傾向は小型のアタリが多いが、掛けにくい。追わない。棚がバラバラ。
こんな時は繊細な穂先とバラしにくい調子がベターだろうと…
竿がない。前回折れてしまったので古い竿を用意した。
①宇崎日新の船魁テンヤタチウオ200にフォースマスター。
②サーベルマスターXRにはダイワのカウンターリールIt's ICV200。
 

細かなアタリに派手なアクションは逆効果が、最近の傾向。7:3の柔らかめの竿でじっくり食わせる算段。
ポイントは洲本沖。船団から少し離れた場所で棚を探る。朝は定番のグローを投入。右舷でビチビチと魚が暴れる音が聞こえる。ちょうど反対側に有名な釣女子が。彼女の両隣もセミプロ。さすがは予選会。私はスタートダッシュに乗れなかった
 
隣で数本上がってからようやく私にもヒット。先づは小型が一本。取敢えずボウズは逃れた。アタリ棚とパターンが分かったらもう一度トレース。すぐに前アタリを感じたが、掛ける前にすぐ移動。
 
次いで先ほどと同様の誘い。私の棚の考え方は、ポイントが変わっても底から何メートルに集まるか
例えば水深80mのポイントで底から10m上げた70mでアタリがあるとき、ポイント移動で水深90mに着けた場合、タチウオの泳層は70mではなく底から10mの80mという具合。なので、ポイント移動の度にそこの水深を測り直す。
底立ちして10mを上げて竿をシャクって誘うとそのままフッキング。そのまま電動オンにするが、途中で外れてしまう。潮の加減もあるが、引き込んだタイミングに抗うようにアワセを入れないと外れることは多い。途中バラシは掛からないより時間的ロスが大きい。次は水面バラシで3連発。
 
焦りが逆効果となってなかなか数が伸ばせない。すぐ隣ではコンスタントに数を上げており、反対側ではしきりにお祭りをしている。こうなると、小さなアタリをきっちり掛け合わせる釣りが有利だろうと、手巻きタックルに持ち替える。
 
手巻きはダイワのカウンターリール。コマセ釣りで使用していたものだが、単色PEを使うとき、カウンターは必須なので投入。竿は9:1の即掛け調子。
 
アタリが乏しいので再度ベタ底を漂わせる誘い。そこから10秒おきに50cmずつ跳ね上げる誘い。次の誘いでバイト!そのままフッキングして巻こうとするが、ビクンビクンと暴れる感触が伝わってくる。サワラだろうか。だとすればスタミナ勝負だなと隣と話しながら徐々に浮かせるが、ほぼ全域で激しく抵抗する。リールのドラグはさほど強くないが、リーダーは8号。十分取り込める太さ。そう思っていたら、水面に姿を現したのは大型のタチウオだった。先週F8を釣ったばかりなのでさほど大きく感じなかったが、コイツも大きい

キングバトルは貧果に終わったが、釣り自体は楽しく終わることができ、またタチウオ釣りがしたくなった。勝つことも大事だろうが、釣りを楽しむ心を忘れてはならない