私は出版の仕事をしていまして、今月は女性の健康づくりについてのパンフレットを発刊しました。さて皆さんだったらそのデザインはどうするでしょうか?私はせっかく独立して仕事をしていますから、出版物を制作するにあたってはなるべく他社や他人とは違うもの、世に新しいものにしたいと考えています。おそらくほとんどの人は女性向けの出版物をデザインする際、ピンク色を基調にします。私は今回それをせず緑系の色にしました(以前ピンク基調で作成したことはある)。沢山売るためにはピンクの方が良かったかもしれませんが、ピンクじゃないから買わないというお客さんがいるならそれは仕方ない、私はピンク基調のありきたりの商品を作るのはつまらない、その考えを優先しました。私個人の感覚では女性=ピンクというのは男性が女性の象徴として「おっぱい」を求めているから、どことなく幼児性がそこにあると思うんですよね。

 さてその女性向け商品をデザイナーさんに依頼した際、ピンク色は使わずにと指示をしていたのですが、最初に上がってきたデザインはピンク基調でした。これはなかなか面白い現象、このくらい人間の固定観念というものはカチカチなものだと感じさせられたと同時に、私は人間がはまってしまいがちな固定観念から離れた世界に生きられていると自分になんだか自信を持ちました。出版を生業にしている人は、世界や世間に流されるがままではつまらないという価値観を持っている方が良い商品を作れると私は考えていますから、ああ自分は大丈夫だと思いました。ただピンク基調のデザインを出してきたデザイナーさんを出版人としてダメだとも言いません。これまでずっとお世話になって来ましたから、一度のことであれこれ言うのは大人げないもの、そんなバランスも大事ですよね。

 さて、勘の良い方はここから私が何について書くか気づいたかもしれませんが、そうです、やめられないとまらないのカルビーです。世界は今ナフサ由来のものが不足するという不安から価格の上昇という局面です。かっぱえびせんとポテトチップスという超強力定番商品を持っているカルビーが、それら商品のパッケージをモノクロにすると発表し話題になっています。ナフサ不足でカラーに印刷するための原料が高騰しているからとのこと、ただこれについては日本政府がなぜそんなことをするのかカルビーにヒアリングをするとも言っています。政府としてはナフサは不足してないと言っていますから、トップ企業が世間を不安にさせるような動きをするなと牽制する意味もありそうです。

 今回のカルビーのモノクロ案件については私は賛同しません(削るべきコストはそこじゃない)。私の出版という仕事も印刷が関わってきますが、今のところカラー印刷費用が高騰していることはありませんし、カルビーは自社の商品は袋をモノクロにしたって、つまりサービスレベルを落としても売上は落ちない、コンビニやスーパーの棚から外されたりはしないという自信があるので、ナフサ不足の時流に乗って印刷費が安くなるモノクロにして利益拡大を目論んでいるだけ、そして他社がやらないことをやれば目立って話題になる宣伝効果を狙っただけでしょう。女性向けの商品をピンクで作らないということと、商品の袋をモノクロにするということはいわゆる逆張りという点で同じですが、私はお金がもっと欲しくてそうしたわけではないので、間違っても私とカルビーを一緒にしないでほしい、とりあえず私はモノクロ袋含めてカルビー商品の袋の消費量を増やさないことに協力しましょうかという気持ちです。