あれから9年が経ちました。

 

2020年、年が明けた直後は、いよいよ東京オリンピック、次の時代の幕開け、といった気分が正直ありました。しかし、まさかの新コロナウィルスの蔓延と騒動。自分の中でも、そこまで大げさにしなくてもという気持ちと、どうなるのかという気持ちがあります。

 

そうした中、また、3月11日を迎えました。

 

9年という時間で、いろいろなことが変わり、被災地に関してもニュースを通じてちょっとずつ変わっていることを見聞きしています。

 

双葉町の避難指示解除準備区域及びJR双葉駅周辺等の一部区域の避難指示区域の解除について【更新】

https://www.town.fukushima-futaba.lg.jp/7829.htm

 

また、この1年というタイムラインで見てみると。

 

東北地方で言えば、2019年3月23日には三陸鉄道リアス線全線開通!となり、皆、お祝いして喜んだのは記憶に新しいところですが、その後、台風19合によりまた被災し再び一部不通に。そして、まもなく2020年3月20日に開通予定とのこと。良かった!

 

三陸鉄道リアス線全線開通!「三陸防災復興プロジェクト2019」に向け盛り上がりが加速しています!(2019年3月29日)

https://kyodonewsprwire.jp/release/201903284827

 

リアス線全線運行再開もうすぐ 三陸鉄道キャラバンがPR(2020年3月6日)

https://www.iwate-np.co.jp/article/2020/3/6/73978

 

このように、時間とともに、変化し、復興・復旧してもまた何かが起きる、というのが、まさに日常なんだ、というのを痛感した1年でもありました。加えて、台風15号、そして、台風19合は、自然災害という観点で、東京含めた関東近郊も甚大な被害を受け、身近で河川の氾濫を観たこともあり、まさに、日本全国どこにいても、改めて災害と向き合うことを、意識しなければと思うようになった、この2019→2020の1年です。

 

そして、改めてこの3月11日を迎えて。2020年3月11日の14時46分は社内での定例会議でした。ちょうどそのぐらいの時間になって、参加メンバーで「あのときああだった」などと思い出しながらも、議題としては次年度に向けてでした。このように、3.11への意識はなくならないものの、やはり、自分たちは日常を過ごしているわけです。

 

だからこそ、今のこの、新コロナウィルス蔓延については、正直日常的ではまったくないし、今後この騒動がどうなるか僕はわからないけれども、普通に過ごしていきたいし、その中で、いつ起きるかわからない出来事、さらには大地震や自然災害に向けての心構えを持とう、と思った次第。

 

ちなみに新コロナウィルス騒動については、正直、どうすればわからないというのが本音ですが、強いて言えば、過剰に反応せず、「変化を受け入れて、体験できることは体験する(たとえば積極的なビデオ会議活用)」、「基本行動を徹底する(手洗い・うがい・マスクをより徹底する)」の2つを心がけています。あと、これはちょうど昨日のWebSigモデレーターMTGの議題でも上がった「ファクト」を知る、見る、理解すること。これはインターネット時代だからこそ、身に付けておきたいスキルです。

 

改めて3月11日という日に関して。2012年から3月11日という日にブログを書くようになったのは、一番は自分の人生の中でもとても大きな出来事で、1年のうちにこの日だけは、非日常的な意識で日常を考えてみたいと思ったからです。そのため、2012年から3月に近くなると、東日本大震災、さらには、さまざまな震災・災害に関する書籍を読んでいます。

 

2020年に読んだのはこの2冊(『「生存」の歴史と復興の現在』は読書中)。

 

 

 

 

『人はなぜ逃げおくれるのか――災害の心理学』は、阪神大震災後、東日本大震災前に書かれたもので、一部、東日本大震災では対応しきれないぐらいの対策、考え方も書かれていた中、とくに、どうしても人が持ちがちな正常性バイアスについて書かれていました。この書籍では、逃げることを客観的に書かれていましたが、2011年以降、危険を察知したときに逃げる行為については、客観的かつポジティブ、さらに言えば、恥ずかしくない行為として捉えられるようになったと思っています。

 

この逃げるという行為については、2014年に仙台に訪れた際に乗車した語り部タクシーの運転手さんの「まず,自分の命を守ってほしい。そして,余裕があるのであれば周りの人の命も守ってあげてください」という言葉が、自分の中では重なります。

 

語り部タクシーに乗って

https://ameblo.jp/tomihisa18/entry-11971084842.html

 

続いて、『「生存」の歴史と復興の現在』は読書中ではありますが、その中の一文、「文化財の残らない復興は本当の復興ではない」ということが、自分の中での新しい気づきでした。

 

仮に自分が被災したり、身の回りで被害にあったとき、次に向けて行うのはなにか。形を戻す、気持ちを戻す、ということともに、文化財、つまり、そこで代々続いていた歴史や伝統を戻す、ということが非常に重要なんだと思いました。

 

さて、今日は普通に出社し、夜は帰宅、そして、今、家でこのブログを書いています。今回掲載した写真は、日中に撮った市ヶ谷のお濠の桜です。今年は少し早い開花になりそうとのこと。桜が待ち遠しい。

 

自分にとって、3月11日はこういう日常の振り返りができることが大事だと思える日です。

 

9年が経ち、復興と破壊、そして、再復興など、いろいろな変化が起きています。そして、まだ復興途中の地域、また、復興そのものが難しい場所があるのかもしれません。当時の日常は取り戻せないとしても、あたりまえの生活が戻りますように。そして、これからもあたりまえの暮らしができますように。