(Backlog World 2019会場にて。橋本さんとツーショット)

 

こちらはBacklog World 2019の参加エントリです。

 

Backlog World 2019

https://backlogworld2019.jbug.info/

 

会場は秋葉原のUDX(4Fギャラリーネクスト)。UDXは駅からのアクセスも良く、周りには飲食店、さらに、ヨドバシもあるのでなにか困ったときに便利な会場です :-)

 

 

さて、前回のエントリにも書いたように、この日はYAPC::Tokyo 2019にも参加していました。

 

ので、イベントのはしご参加で。参加証のリストバンドもこんな感じにw 余談ですが、会場が浅草橋と秋葉原ということで、電車で1駅、歩いても行き来できる距離で良かったw

 

 

会場に到着すると、ちょうど前川さんのセッションでした。全部聞けませんでしたが、満席で盛り上がっていました。

 

「婚活と言えばオミカレ!」

 

 

そして、その後、Hall 1にて、Good Project Awardの講評と最優秀賞の授与式がちょうど行われていました。

 

 

最優秀賞はシタテルさん『縫製工場向け案件管理システム “マイオペレーター”』でした。おめでとうございます!

 

 

さて、今回きちんと聴講できたのは次の2つのセッション。

 

辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast「Backlogのアクセシビリティを斬る!」

 /辻 勝利さん(株式会社ミツエーリンクス) / 植木 真さん(株式会社インフォアクシア)
 

スーパーマリオで学ぶプロジェクトマネジメント

 /玉樹 真一郎さん

 

Twitterでもいろいろとつぶやいたのですが、改めて、それぞれのセッションのサマリと感想を。

 

■辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシビリティPodcast「Backlogのアクセシビリティを斬る!」

 /辻 勝利さん(株式会社ミツエーリンクス) / 植木 真さん(株式会社インフォアクシア)

 

 

こちらは、Backlogを対象とした、アクセシビリティセッション。僕自身、電子出版の観点からアクセシビリティには取り組むこともあり、聴く前からとても興味深いセッションでした。

 

内容は、旧バージョンと現行バージョンのBacklogを題材に、スクリーンリーダーの観点で、使用感について、辻さん、植木さんが斬るというもの。一般的に、Webサイト・Webページのアクセシビリティという話題は(多くはないものの)セミナーで聴くことがあったのですが、こういうWebサービスに関するアクセシビリティについてのセッションは自分としては初めてで、さらに実際のプロダクトを対象に行ったのはすごくインパクトがありました。

 

今後、プロジェクトを進めるにあたって、ハンディキャップを持っている方が参加するシーンは十分にありえます。その中で、コミュニケーション負担をツール側で吸収してくれたとすると、それはすごく大きなことです。

 

今回、新バージョンでの読み上げのデモの際、メニューや担当者の指定などが、旧バージョンに比べて大幅に改善されていたのがすごいな、と思いました。さらにキッカケがTwitter経由でいろいろとつながって、辻さん・植木さん→橋本さんに打診が行くというのが今のソーシャルネット時代ならではの良さだとも思います。

 

アクセシビリティって、ぱっと考えると高コストだし(と僕は思っちゃってます)、今、自分が健常者だとするとそのままでもいいやと考えてしまうのですが、それでも、今回のような実演を交えてもらえると、(少しではありますが)自分ごとになりました。

 

さらに、今の自分の環境は大丈夫だとしても、今後、自分が歳をとっていく中で、たとえば、自分あるいは家族や周囲の方たちが何らかのハンディキャップを抱えたときに、という自分ごと目線で考えると、今、アクセシビリティに取り組むのはすごく大事だな、と強く考えさせられたセッションでした。IT/ネットにまつわるアクセシビリティってまさに自分への投資だな、と。

 

■スーパーマリオで学ぶプロジェクトマネジメント

 /玉樹 真一郎さん

 

(著作権の関係から、画面は手描きイラストw)

 

続いて、玉樹さんの「スーパーマリオで学ぶプロジェクトマネジメント」。こちらは感想から先に書くと、とにかくめっちゃ素晴らしいセッション・プレゼンでした。おそらくここ数年、少なくとも自分が40歳になってから、参加者として聴いたセッションの中では一番面白く、引き込まれた内容でした。

 

タイトルの通り、スーパーマリオを題材に、「スーパーマリオは何をしたら勝ちか」という質問を投げかけ、次の3つのデザインについてわかりやすく説明してくださいました。

 

・直感のデザイン

・体験のデザイン

・物語のデザイン

 

スーパーマリオに関して言うと、とにかく、最初の画面で「右に行くことが正解」と、ユーザに教えずに伝えられた点が、このゲームとしての価値であり、クリエイターの勝ちということ。この点について、玉樹さんは「"おもしろさ"の前にユーザに"仮説"をつくらせることが重要。そして"わかる"こと、"わかった"ことの快感がおもしろさになる」と説明されました。この観点、聴いてみるとなるほどと思いつつ、すごく難しいなぁと思います。

 

以前、LINEの谷口さんと話したときにがおっしゃっていた「(人の能力として)ツッコミよりボケのほうが難しい(0→1の発想)」やモーリー・ロバートソンさんが言っていた「AIができないのは、瞬間的ないじり」にも通ずるなと思いました。

 

 

あと、すごかったのが、「マリオが右に行く理由」という題材だけで30分、聴いている側を飽きさせずに話された、玉樹さんのトークスキル、勉強になりました。こういうプレゼンの展開、自分が話す機会があったら参考にさせていただきますw

 

もう1つ、玉樹さんのセッションで響いたのが2つ目の驚きのデザインの際に触れた「タブーの使い方」。このときはスーパーマリオではなく、ドラクエIIIのぱふぱふを題材に。玉樹さんいわく、子供向けゲームでシモネタをいれるのはタブーとのこと。なのに、なぜ、ドラクエIIIでぱふぱふを入れたのか。それは、「直感のデザインに対するアクセント」だそう。これが、「驚きのデザイン」というわけです。

 

もう少し詳しく書くと、ドラクエIIIの場合、スタートから直感的にできる(ように)ゲームデザインになっていて、その直感は実はクリエイター側が「こうすれば良い」という展開を、ユーザに強制的に無意識に強いているとのこと。この、強制的・無意識に強いることは、ユーザに対して大きな疲れになり、結果、飽きにもつながってしまうので、そこで、タブーであるシモネタを交え、ユーザにちょっとした驚き、気分転換を加えたとのことです。

 

いやー、こういうの、体験としてデザインできるのは本当にすごいなぁ。余談ですが、ドラクエってIのときもIIのときも、ぱふぱふをしゃべる登場人物が確かいたはずなんですが、実際にぱふぱふを体験できるシーンってIIIからでしたねw

 

3つ目の物語のデザインに関しては、家に戻る(スタート地点に戻る)価値とそのデザインの意義について次のように説明されました。

 

なぜスタート地点に戻るのか

→ 物語を体験した意味が体験の意義になるように
→ 体験前と体験後のプレイヤーを同じ場所に立たせる
→ 成長したことをユーザ自身に実感させる

 

これまたなるほど、でした。

 

以上、簡単ではありますが、玉樹さんのセッションのサマリです。

 

いわゆるUX(ユーザエクスペリエンス)デザインに関しては、自分の周りに業務として取り組んでいる方たちや先生と呼ばれる方たちが多く、いろいろと教えていただけることが多いのですが(役得w)、今回のセッションは、初対面である玉樹さんから、自分にとってわかりやすいスーパーマリオやドラクエIIIという題材で、しかも、引き込まれるトークで、すごく勉強になりました。ただ、今の段階では、自分は勉強になった(理解した)気持ちになっているだけなのでw、今後の自分の何かに反映させていきたいです。

 

それから、最後のまとめのスライド、これがまた良かったです。

 

 

ここに書かれているように、自分やみんなの思い出と世界の知識から生み出す体験、それがプロジェクトを創るということ。これについても、いろいろと示唆に富んでいると思いますが、自分のひらめきというのこそ、体験の賜であるわけで、その体験をプロジェクトとして描けることは、さまざまなシチュエーションに活用できるように思いました。

 

改めまして、玉樹さん、ありがとうございました!めっちゃ面白かったです。いつか一緒にイベントやりたいです!

 

以上、2セッションのレポートでした。

 

■Backlog Worldグッズ

こちらはいただいたイベントトートバッグ、そして、コースター。コースターは個人的にも欲しかったので嬉しいです!会社で使おう。

 

 

そして、オリジナルTシャツ色味がすごくいいですね。夏場に着ようっとw

 


ちなみに、このTシャツ、ブログを書くともらえるというもの。「会場で書きますよー」とお伝えして、広報のメギーさんに前倒しでいただきました。ありがとうございます!

(ブログ書かないとメギーさんに怒られるので、本エントリは頑張って書きました。また飲みましょう!w)

 

参加した2つのイベントのTシャツを並べてみた。この2つ持っているの、なかなかレアなんじゃなかろうか。

 

 

以上、Backlog World 2019の参加レポートでした。

 

■Backlogとコミュニティ
最後にBacklogとコミュニティの体験談などを。

 

初めて僕がBacklogを使ったのは2010年6月。WebSig1日学校2010のプロジェクトキックオフ時(今から8年半前か……遠い目w)。そのときはまだWebSigモデレーターではなく、外部メンバーの1人として参加していました。

 

そして、それまでプロジェクト管理ツールというものをほとんど使ったことがなく(自分のスケジュール帳とメモ書きで済ませていて、あと、担当雑誌ではHyperCardで作った台割進行帳ぐらいでした)、最初は戸惑った思い出があります。

 

ただ、その後、とくに社外の方とのプロジェクトが増え、その中で参加人数が増え、スケジュールが決まり、タスクが多様化する中で、Backlogはプロジェクト運営にすごく便利なのを、日が経つとともに強く感じるようになりました。加えて、とくにWebSigに関して言うと、Backlogの使い方が上手なメンバーが多数いたので、その環境にいたというのも大きかったと思います。

 

最近は大きめなプロジェクトやイベントはあまり実施していないので、Backlogをガッツリと使い込むケースは減っていますが、それでも、取引先から指定されたり、WebSig内でも使うときもあったりと、その利用シーンはこれからもずっとあると思っています。

 

あと、今年の4月にサイボウズLiveのサービスが終了しちゃうので、その代替ツールとしてもおすすめです。詳しくは以下ページにて。

 

国内最大級のプロジェクト管理ツール「Backlog」、「サイボウズLive」データを移行するツールをベータリリース

https://nulab-inc.com/ja/press-release/pr-1805-cybozu-live-importer/

 

さて、プロジェクト管理と管理ツールと言葉にすると仰々しくなりますが、イベント事であったり、ものづくりであったり、目的とスケジュールがあるモノ・コトに関しては、Backlogのようなプロジェクト管理ツールの活用次第で、より良くなることが増えると思います。

 

中でも、実体験として、日本的なコミュニティ活動にとって、Backlogとの相性はとても良いと個人的に感じています。細かな機能だけではなく、コミュニケーション時の作り込み、見た目のデザイン、ツール内の世界観などを含めて。何より、僕が日本的インターネット・日本的コミュニティに向いているな、と思うのは、開発元のヌーラボさんが、代表の橋本さんを筆頭に社員の皆さんが、さまざまなコミュニティに、アクティブにポジティブに参加している点。困ったらお願いできるというような実利だけではなくて、開発者の皆さんが、利用者の現場にいるってすごく大きいんじゃないかなーと思っています。

 

その点で、今回のBacklog Worldも、まさにプロダクトとコミュニティ、そして、関わる人たちが一体となっているイベントだと強く感じました。

 

もちろん、Backlogに限らずの話であって、コミュニティ相応のコミュニケーションツールは必須で、自分たちに合うものを選んできちんと活用すれば、コミュニティ運営がより一層うまく回るのではと思っています。

 

さらに、アクセシビリティセッションを聴いていても感じましたが、今後は、とくに自分が歳を重ねて老化を迎えたり、また、多様な方たちと接する機会が増えてくる中では、コミュニケーションツール・プロジェクト管理ツールは、就労環境で、こうしたプロジェクト管理ツールのより良い活用方法が求められるように思います(あくまで手段としてですが、手段が限定されていく可能性もあるわけで)。

 

最後になりますが、Backlog World運営メンバー、スピーカーの皆さん、おつかれさまでした。そして、ありがとうございました!!