前回のエントリでも書いたように福岡に来ました。
メインの目的はTechLIONでしたが、それとは別に個人的に体験したかったのがこれ。
メルカリ,コミュニティ型シェアサイクルサービス「メルチャリ」を2月27日から運用開始~第一弾の導入都市は福岡市
http://gihyo.jp/news/nr/2018/02/1301
2月初旬に発表され、2月27日からサービスインしたコミュニティ型シェアサイクル「メルチャリ」です。
感想はあとで書くとして、まずは、昨日・今日のメルチャリ利用までの自分の体験を。
まずは昨日(3月2日)。空き時間を利用してメルチャリを試してみようと、軽い気持ちでメルチャリのアプリをダウンロード。
iTunesストアから。
ダウンロード後、起動。
もろもろの情報を入力して設定完了(初めてメルカリアカウントつくった!)。
さて、まずは近くのメルチャリポートと空きメルチャリを探索。
こんな感じで、左上にあるメルチャリを目指して移動しました。
発見。赤い色は目立っていいですね。
サドル下のQRコードで、スマートロックの解除ができるというのは事前に知っていたので、さっそくQRコードを確認して。
アプリを起動して、QRコードにカメラを当てて、さぁ、メルチャリ乗るぞ!………
まず、BluetoothをONにするようアラートが出ました。たしかにデバイス間通信は必要か。
改めて。BlutoothをONにして、さぁ……
なんと!
こんなエラーが出ました。どうやら前に使っていたユーザのカギの締め方が正しくなかったのか、スマートロックの解除ができなかったんです。このときはどうしようもなく、また、近くに他のメルチャリも見当たらなかったので、この日は断念。
続いて、翌日。今日こそは乗るぞーと。しかも、万一に備えて複数のメルチャリポートの場所も把握して。
この画面では1台と表示されていたのですが、いざ、到着してみたらこのように4台ありました(これが結果的にラッキーでした)。
今日はもうBluetoothもONにしてあるし、さぁ、今度こそ鍵を開けるぞー。乗るぞー。
!!!!!
ええええ。そんなのあるんかい!w 今日はなんとメンテナンス中のメルチャリに当ってしまってまたまたスマートロック解除できず。
でも、この日はあと3台あるし大丈夫!ということで隣のメルチャリのQRコードからロック解除。無事できました。
ちなみにQRコードが認証されるとカギが上に上がります。
さぁ、メルチャリに乗るぞー!
余談ですが、僕、自転車にのるのは高校生以来、約25年ぶり。まずいきなり乗ってフラフラと。これは危ないw さらに歩道ではなく車道の端を走ったのですが、これはなかなか怖いですね。自転車って免許がないですけど、さすがに25年も乗らない人間がいきなり乗るのはなかなか危険な気がしました(←自分で言うな)。
福岡駅近辺を約30分ほど。
グルっと回ってまた同じメルチャリポートまで。
終了後、こんな感じの履歴が残りました。
■コミュニティ型シェアリングサイクルについて考えてみた
さて、感想をつらつらと。
まずはコスト面。この手軽さで自転車に乗れるっていうのはかなり便利。しかも約30分(27分)で48円でした(あれ?1分4円のはずなのに安くないかな?と調べてみたら、初回登録特典で15分間無料チケットが付いて15分をマイナスした12分の料金で48円ってことでした)。
エラーのことは後述するにしても、自転車に対してそんなに思い入れがない自分としては、旅先なんかで軽く使ってみたいなとなるとこの手軽さ+料金はかなり惹かれます。あと、今回は同じポートからポートまででしたが、もっとポートが増えて乗り捨て感覚ができたらさらに便利ですね。
続いてエラーのこと。本当に偶然なんだろうけど、今回、僕はたまたま2回も不具合のあるメルチャリに当たってしまいました。①スマートロックのエラー(予期できないもの)、②メンテナンス(予期できるもの)。
ここでコミュニティ型シェアサイクルの観点で考えてみます。
①については、正直今回が初めて使うわけで、まったくもって想像外。実はその後、イベントでお会いした法林さんも同じ症状のメルチャリに遭遇したとか。ただ、メルチャリポートに別のメルチャリが合ったのでそちらでとくに問題なく乗れたそう。
今回はレアケースとは言え、まず、ユーザ観点で言うと本来なら僕がアプリから報告しなければいけなかったんだよなー(感覚的に普通にレンタルサイクルサービスを使える感覚でコミュニティ型の意識がまったくなかった)
もう1つ、メルチャリポートはお店の前だったのでそのオーナーに問い合わせをすることもできたのかもしれないですが、正直、オーナーかどうかがわからず質問をすることもできず。
で、使った立場としては、もしスマートロックが解除できないものに遭遇した場合、運営に連絡する、みたいな誘導があってもよいのかなと思いました。せっかくサポートコードまで出しているし、スマホ=オンライン前提だと思うので。
ちなみに、前述の法林さんとアプリを見ながら話していて、[ヘルプ]→[その他]から、「チャットで問い合わせる」「電話で問い合わせる」のメニューがある、と気づいたのですが、初めて使う人にここの動線は正直ハードルが高いですw
とは言え、こういうエラー自体も起こりうるということがユーザ間に周知して、ユーザの経験値が変わっていけば、すべて完璧なものを使えるわけではないという、本来の意味でのシェアリングサービスに対する感覚が浸透するだろうし、エラーに対しては共有する文化が根付けば、もっと使い勝手の良いシェリングサイクルになっていきそう。ユーザに強いるのではなくて、そういうのが当たり前になる感じ。
-----追記(2018年3月3日18:30)
その点で、メルチャリが「コミュニティ型」を謳っているのは良いなと思っていて(なのでgihyo.jpの記事タイトルにも含めた)、そここそが、このシェアリングサイクルのユニークさだと思っています。っていうのを登場前で慌てていて記述していなかったので追記ですw
従来のシェアリングサイクルは(使ったことがないので想像ですが)、シェアリングの概念もありつつ、ある種の使い捨て・あるいは運用側の交換ということが強いとは思うんですが(あとで調べてみます)、メルチャリは、「マイル」の概念を導入することで、ユーザに利用へのコミット以外に、運用への参加型を促している点がとても興味深いです。
つまり、ただ使うだけではなく、一緒に運用する意識を高める仕掛けを設計してある点。このあたり、もっといろいろな企画が入ってきたらおもしろそう。
実際、レビューを書いただけで1マイル溜まったし、本来なら①のときに何かしら報告をすればマイルを貯められたんだろうなーと。この仕掛けが自律的に回り始めたときが、ある意味、メルチャリの正式サービスインな気がします。その先には、メルカリ本体との連携を含めたメルカリ経済圏まで。
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②については、僕は逆の意味でラッキーだったというか。もともとメルチャリマップには1台しか表示されていなかったのに4台あって、あれ?と思ったんですが、これは、システム的にメンテナンス中の台数は表示させない仕様(なんじゃないかな?)とも。
結果的には横のメルチャリを使えてラッキーでしたが、これも表示の際に、メンテナンス中のものもあるよ、というのが事前にマップに出ていると、ユーザとしては変な驚きや戸惑いがなくなるように思いました。
ハードを提供するサービスの難しさでもありますが、今回の僕が遭遇した2つのケースはどちらもなんとなくソフトウェア側の問題のような気もするのですが、いずれにしても、Webサービスやソーシャルネットワークサービスとは違って、モノに触れられるネットサービスがどんどん身近になってくると、いろいろ感覚も変わっていきそう(シェアリングサービスに関しては実はまだメルカリはやったことがないのでやってみようかなw)。
以下、さらに余談。
このあたりの期待値コントロールってサービス提供側には本当に重要なんだろうなーとユーザの立場でぼんやりと思いました。
個人的に、コミュニティとかシェアリングサービスのこれからについてはかなり興味のある分野ですし、いろいろ試していきたいので、また何か新しいものが出たり、いろいろと試してみたいと思います。もちろんめるチャリが地域拡大などアップデートされたらそれもぜひ。もし、ユーザテストさせてもらえるものがあればぜひお声がけください>誰となくw
ちなみにシェアリングサイクルは実はもうかなり普及しているみたいで(これも法林さんにTechLION中に聞きましたw)、すでにNTTドコモが提供しているシェアリングサイクルがかなり浸透しているらしいので(調べたら大田区にもあった)、それも東京で試して使い勝手を見てみようっと。
■ユーザコミュニティのこと
さらに話が飛びますw
先日、えふしんさんのエントリでWebSigの新年会で論文を書こうか議論が起きた際、取り上げたテーマの1つに、日本のインターネットにおける開発コミュニティとユーザコミュニティの違いがありました。僕は仕事柄、開発コミュニティの、バリバリの開発者の皆さんと接する機会も多く、また、ユーザコミュニティを運営している皆さんと接する機会も多いのです。その違いや数の多さについてはいろいろな見方がある中で、「ユーザコミュニティは実は日本的じゃないか」、と和田さんたちとも話してました。
たとえば、今回のメルチャリの利用のように、使ったサービスの情報をまとめて、それを報告していくことが体系化されれば、それはまさにユーザコミュニティでもありますし。ただ、あくまで主観ですが、ユーザコミュニティと表現される場合、多くは、そのサービスやプロダクトの便利な使い方をみんなで共有する集まりを意味している気がしていて、先のようなデバッグ的な部分は(少なくはないにしても)表に出ていないようにも思っています。
こういう動きが、今まで以上に表面化して一般化していくと、ユーザコミュニティの位置付けがいろいろと変わっていくように思いますし、開発コミュニティ・ユーザコミュニティという枠ではなく、大きなコミュニティの枠がつながっていくと思います。
だいぶ話が逸れたうえに大きな観点になっちゃいましたけどw、ここ数年、僕の中ではソーシャルネットそのものへの興味がちょっと薄れていて、自分のブログでもソーシャル関連の話題を全然書いていなかったんですが、今回の体験を踏まえて、また、「Social&communication」のテーマでいろいろと書いてみたい気持ちになってきました。とくに「シェアリング」「コミュニティ」「IoT」の切り口、そして、その先にある身近な社会のあり方が気になってます。
ps
今日のランチは博多駅にある大地のうどんで、肉ごぼう天うどんを食べました。美味かった!