久々にWebSigネタです。

2015年のWebSig24/7は,公式サイトでの年頭エントリ「2015年はモデレーターで興味深い人や会社を訪れたりイベントもします」で,代表の和田さんが書いてあるとおり,「イベント自体は昨年と同じ回数ほどはやれたらと思っていて,くわえて,モデレーター内部でのインプットを少し広げた形として,興味深い人や会社さんに訪問して話を聞いてくるという試みをしてみようかと思ってます。」というスタンスで活動中です。

実際,定例MTG以外では,これまで4名の方とお会いしてお話を伺っています。

トップバッターはこのブログ「[WebSig社会科見学]モノを創る,そして,モノを届ける基地~DMM.make AKIBA」でもご紹介している小笠原さんです。

そして,3月以降は以下の3名の方にお会いしました。

2015年3月25日
【社会科見学】鴎来堂&かもめブックスさんに行って栁下さんと語った「インターネットと心の距離感」
http://websig247.jp/fieldtrip/000309.html

2015年5月11日訪問
[WebSig行ってきた]BASE株式会社&大柴貴紀さんに伺った「インターネット界隈の事を調べるお」が生まれたワケ
http://websig247.jp/fieldtrip/000310.html

2015年5月20日来訪
長谷川恭久さんの履歴書とWebのオープン性,コミュニケーション(前編)
http://websig247.jp/fieldtrip/000311.html
長谷川恭久さんの履歴書とWebのオープン性,コミュニケーション(後編)
http://websig247.jp/fieldtrip/000312.html

WebSig

まず,最初のお二人,柳下さんと大柴さんは初対面でした。

鴎来堂&かもめブックスさんの柳下さんは,仕事の範囲としてはかなりかぶるところもあり(実際,僕の同僚が一緒にお仕事させていただいています),個人的にも興味があったのですが,仕事のスタンスとかよりも,経歴というか,生き様がすごかったw

個人的に印象的だったのは,柳下さんの「心の距離感(半径)」という表現。

続いての大柴さん。大柴さんが運営されている「インターネット界隈の事を調べるお」はもちろん知っていたのですが,お会いするのは初めてで。大柴さん自身も経歴にインパクトがあり,そして,とても話が面白く,興味深かったです。

大柴さんのお話では「利害関係なく,どれだけ自分のために人が集まってくれるか。そこに本当の人としての価値があるのではないかと思っています」というコメントが印象的でした。

直近のヤスヒサさんは,『Web Site Expert #01』以来なので,かれこれ11年ほどのお付き合い。WebSig24/7でのイベントはもちろん,地方でのイベントをご一緒したり,先日はヤスヒサさんのPodcast「Automagic」にも出演させていただきました

もともとはヤスヒサさんからの「MTG見てみたいです」というお話から,当日になっていきなり「ヤスヒサさんの履歴書を教えてください」という無茶ぶりにもご対応いただき感謝ですw

改めまして,ご協力いただいた柳下さん,大柴さん,ヤスヒサさん,ありがとうございました!

■オープンとクローズド,コミュニケーション・ネットワークの信頼性
さて,WebSigの活動紹介をしつつ,最近考えていることを少しだけ。

今のWebSigは,クローズド(内輪)での展開を進めていて,その理由は,和田さんが年頭エントリに書いてあるとおりで,僕も実際そう思ってます。もうちょっと極論で言うと,扱うテーマの内容や鮮度にかかわらず,見知らぬ人に向けたアウトプットよりも,知っている人同士のコミュニケーションとディスカッションが楽しいというか心地良いというか。

それでも,クローズドとは言いつつ,たとえば,今回の柳下さんや大柴さんのように初対面の方との出会いというのは,実はオープンだったりもするわけで。

クローズド思考でもオープンになる,その要因の1つが,コミュニケーション・ネットワークの信頼性だと思います。

もう1回自分の目線に話を戻して,柳下さんは坂西さんのご紹介,大柴さんはえふしんさんのご紹介というように,自分にとって信頼できる人からの紹介であれば,その人が初対面だったとしても,そして知らない世界(向こう側のクローズド)の人だったとしても,実はオープンになりうるのかなーと。

モノや情報のレコメンドというのはそれこそAmazonがやったり,最近の広告業界やビッグデータ界隈では花盛りなんでしょうが,こういう人のつながりの広がり(≒レコメンド)というのは,オンライン・オフラインに関わらず,リアルでの信頼性があるかないかが重要だと思っています。

追記:ここで言ってる信頼性っていうのは,当人が信頼できるかどうか(自分で納得できるかどうか)というもので,普遍的・客観的なものは指してないです。

この辺はヤスヒサさんの回(後編)で和田さんが書いている

「新たなコミュニケーションできる人がほしい時には、オープンに向けばいい。
 使い分けができる環境ととらえればポジティブかもしれません。」

ということにつながる気がしています。そのオープンに向けるかどうかというのが,コミュニケーションやネットワークの信頼性なのかなーとうっすらと思って,今回,こういう風にまとめてみました。あと,ヤスヒサさんが最後に「もう少し後半にしたインターネットの未来とオープン性について話したかったですが。」とコメントされていたので,ぜひまた話したいです :-)

■参加と情報
もうちょっと話を飛躍してみますw

今回,このエントリを書いていて思い出したのが,2005年のJavaOneのこと。このときはJava誕生10年の節目の年だったのですが,それとは別に,当時はまさにWeb 2.0到来というタイミング(Web 2.0っていう言葉自体がまだ一般化されていなかったころ)で,この時のキーノートで,当時のSunのCOO,Jonathan Schwartzが「これからは情報の時代(Information Age)から参加の時代(Participation Age)だ」と力強く述べたのを鮮明に覚えています。

2004~2005年というのは,日本ではmixi全盛,ソーシャルネット全盛でしたが,アメリカではたしかMySpaceぐらいで,TwitterもFacebookもなかったとき。強いて言えばOrkutとかFriendsterあたりが盛り上がっていたのでしょうか(当時のアメリカの状況はあまり知らなく)。

あれから10年経って,ネットで参加することがあたりまえに,そして普通にできる時代になって,「何はともあれ参加型」的な風潮が強くなったように思います。たぶん,最近議論を巻き起こしているバズメディアとかバイラルメディアとかパクリメディアはそれを具現化したものの1つなのかなーと。

一方で,Jonathanが言うところの情報の時代というのは,実はなくなったわけではなくて,情報そのものは日々増えているし,実際問題,もう1人の人間で処理できるレベルは超えちゃってるわけだし,そこをないがしろにすると「目的なく参加する」みたいないびつな状況が生まれてくるのかなと。実際,情報がたくさんあるにしても,自分が知らないことを前提にしたコミュニケーショントラブルなんかは多々あるわけだし。

少々ネガティブな書き方をしてしまいましたが,何ていうか,インターネットは基本オープンでだという大前提を忘れず,仮に限定的にクローズドな(クローズドに見える)部分がたくさんあるかもしれないけど,とにかく自分が知らない情報は無限にあるわけです。まずはそういう状況であるというのを改めて認識して,ネットを使ったり,ネットに参加したりするのが大事だなと思いました。

その感覚の上での新しい広がりやオープン性が顕在化してくることが,もっと楽しくて役に立つインターネットの世界になるように個人的には思っています。

無理くり話を戻しますが,最近の「WebSig行ってきた」シリーズでは,このあたりの感覚を,実体験として感じられてとても楽しいです。

ということで,「ぜひ遊びに来てほしい!」「MTGを見てみたい!」「WebSigモデレーターと話してみたい」という方がいらっしゃいましたら,関係者へご一報を!

あと,8月ぐらいに久々にWebSig24/7リアルイベントの開催も予定していますので,お楽しみに!