今年も1/3が過ぎました。

今年もいろいろな映画を観ていますが、今回はその中からまたまたエポック・メイキングなものと感じた作品を取り上げてみます。

ゴールデンウィークに入ってこちらの作品を観てきました。

スパイダーマン

『アメイジング・スパイダーマン2』です。

1作目の『アメイジング・スパイダーマン』は、たしか出張のとき、機内で観た記憶があるのですが、実はしっかりと覚えてはいなく(苦笑)

なので、続編として観たいと思ったわけではなく、今回観ようと思ったのは、4DX対応作品だったから。

4DXとは、体感型を意味する言葉(3Dの次という意味かな)で、これまでの視覚の立体化に加えて、風や水といった触覚、煙やフラッシュ、さらに座席稼働による揺れの体感といったように、とにかく映像(スクリーン以外)での体験を作品に盛り込むことで、これまでにない臨場感を出すというもの。

調べてみたところ、日本国内では愛知・名古屋、福岡・小倉で4DX対応シアターがオープンし、この4月に広島・福山と東京・平和島にオープンしました。

ということで、東京初となる4DX対応シアター「シネマサンシャイン平和島」に行ってきました。

シネマサンシャイン平和島
http://www.cinemasunshine.co.jp/4dx/

シアター入口には4DXの看板が。

入口

この先が4DX対応シアター。

入口2

写真を撮り忘れましたが、入口横にはコインロッカーが設置されています。

シアター内の座席はこんな感じ。
まずは右側。よくあるドリンクホルダーの手前にスイッチがあります。これは文字通り、水の効果をアリにするかナシにするか(WATER ON/OFF)というもの。これで4DXのうち、水効果を受ける受けないを決められます。

スイッチ

さらに、前の座席の後ろにはこのようなギミックが。シアターの人に確認はしていませんが、たぶんここから風が出てきて、風を受ける効果を体験できるのだと思います。

前の座席

ほかにも、座席そのものが揺れたり、スクリーン以外のフラッシュ効果を出すライトが用意されていたりと、通常のシアターとは異なる仕掛けが多数用意されていました。

スパイダーマン

■4DXを体験してみて
ここから先はネタバレがあるので、ご注意を。

まず、わかりやすい体験はなんと言っても風と座席の揺れ。

たとえば、スパイダーマンが網を使って、ビルとビルの間を飛び回るシーン。あたかもスパイダーマンと同じように飛んでいるかのように、映像に合わせて向かい風が吹いてくるのは気持ち良いです。

また、ビルの屋上から飛び降りるシーンなんかは、風に加えて座席の揺れ、そして3Dを利用した立体感(遠近感の変化)がうまく組み合わさって、自分自身が飛び降りる感が出ていたように思います(さすがにディズニーランドなどで体感できるようなG(重力)体験はないものの、組み合わせでここまでできるんだなーと)。

そして、個人的に一番すごいと思ったのが、頭横にある風の噴出口。これ、座ったときはまったく気づかなかったんですが、映画のあるシーンで突然使われ。

とあるシーンで、スパイダーマンが悪者に銃撃されるシーンがあって、顔の近くを銃弾が飛んでいく状況があったんです。

すると!!!

ここの噴出口から風が吹き出され、まるで自分が撃たれた(ような)感じを体感できました。正直、これはびっくり。(いろんな意味でw)やられた!と思いました :-) これ、アクションものでうまく使うと、今まで以上の作品が生まれてくるように思います。

あと個人的には目立たなかったけど、光を強調するシーンでの、スクリーン外部でのフラッシュ効果、あれもエンタテイメントとしての価値を高めているように思いました。

■映画のRe-design 2014
ということで、4DXに関しての感想を。

まず、4DXについては昨夏に観た『貞子3D2』の感想のときにもちょっと触れていて。

『貞子3D2』で観た映画のRe-design――劇場スクリーンとスマートフォンが生み出す体験

スマ4Dは、ダブルスクリーンを利用した作品の世界観の拡張、そして上記エントリでも書いたけど本人の没入感を利用した感覚の増幅というのを実現したように思っています。このあたりは、どこかARに通ずるものがあるかなーと。

一方、今回体感した4DX、これはもう世界観の拡張とか没入感とかではなくて、直接的な刺激の拡張・増幅を実現してくれていました。さらに、特撮アクションというカテゴリがゆえに、非現実をちょっとだけでも現実的に体感できるところに、この4DXの価値があるように思いました。

そして、ネットを調べてみたら『パシフィック・リム』や『ゼロ・グラビティ』の試写会もあったそうで、とくに『パシフィック・リム』なんかは4DXとの相性抜群なんだろうなーと思いました。また再上映してくれないかな :-)

ということで、昨年スマ4Dで映画のRe-designを感じたわけですが、今回4DXで映画のRe-design 2014を感じました。

個人的に特撮系はあんまし観てこなかったけど、これからは4DX対応作品はじゃんじゃん観に行きそうな気がします。

(余談)
ちょっとだけ、消費者目線で。今回の映画、チケット代の明細は以下の通り。

- 1,800円(入場料)
- 400円(3D+3Dメガネ代)
- 1,000円(4DX代)

計3,200円。正直、これは高いと感じる方もいらっしゃるかも。ただ、3D+3Dメガネ代はもうシアターによっては追加料金ナシのところもあるし、そう考えて約3,000円の価値をどう見るかですね。

一方で、シアター側から見たとき。現状の4DXでは、映画鑑賞中の飲食はNGとなっています。というのも、座席が動くから。たぶん、ここが4DX代に含まれる見込み売り上げの担保なのかもと。ようは、通常の映画であれば、ドリンクやフードで1人あたり500円なり、1,000円なり、場合によってはそれ以上の売り上げが見込めるわけなので。

このあたりはコモディティ化して、機材費を回収できたとしても変わらないかなーと思いつつ、4DXを最大限活かした、超スゴイ映画が観られるのであれば僕自身は全然払っても良い額だと思いました。
(ここ最近の(とくにソーシャルネット上での)何でもかんでも批判したり高品質を求めながらも、そのくせ低価格・無料化を期待する変な消費者が増えていてしかも否定されない雰囲気が嫌いなのもあって)

最後の括弧内はさておき、ビジネス面でどうなるかというのは、4DX普及に影響がありそうですねー。このあたりは、大手シアターチェーンのがんばりどころな気がしています。一映画ファンとして応援したいところ。


アメイジング・スパイダーマンTM コレクターズ・エディション [DVD]/アンドリュー・ガーフィールド,エマ・ストーン,リス・エヴァンス