3月2日から開幕した第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC2013)が本日,閉幕しました。第3回のチャンピオンは,初となるドミニカ。おめでとう!

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-チャンプ

World Baseball Classic
http://mlb.mlb.com/wbc/2013/
ワールド・ベースボール・クラシック
http://www.worldbaseballclassic.jp/

そして,今回もすごくすごく盛り上がりました。
僕も一野球ファンとしてとても楽しめた大会でした。

すでに先日の「WBC2013,侍ジャパンベスト4進出決定!!」で書いているのですが,ここで今回の私的総括と10大ニュースをまとめてみようと思います。


■私的侍ジャパン総括
まずは,今回の侍ジャパンを個人的に総括。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-侍ジャパン

今回はそもそも日本が参加するかどうかというところからスタートし,参加決定後も監督選考から難航して,当初よりも2ヵ月遅れでのチーム編成。山本浩二率いる,NPB所属のみ,メイドインジャパンの侍ジャパンとなりました。

11月のキューバとの練習試合はまあまあ良かった一方で,WBC開幕前のプロチームや他国との練習試合ではけっこうお寒い試合が多く,開幕まではハラハラ・ドキドキ。
そして,開幕戦ブラジルとの試合も7回までリードを許す展開で悪い流れだったところを井端の同点打で追いつき,そのまま勝ち越し,逆転勝ち。その後も,先発陣はぴりっとせず,打線もイマイチな中,2次ラウンド進出。

2次ラウンドではやはり最初の台湾戦,あそこの勝利で勢いづきましたねー。その後も,オランダにコールド勝ちをするなど,順調にベスト4になったのですが,最後はプエルトリコにいなされた感じで負けちゃいました。結果だけ見ると,あと一歩だったとは思いつつ,毎試合毎試合チームの結束力が高まって,良い試合が観られて楽しめました。最後の負けは悔しかったけど。

選手では,やっぱり井端のラッキーボーイぶりが光りました(余談ですが同じ1975年生まれでちょっと親近感が湧きましたw)。投手ではマエケン。完璧なピッチングでしたね。あのマウンドさばきはさすがです。それと,台湾戦の牧田のリリーフ&守備もアツかった!
期待されていたマー君&阿部に関しては,期待度が高かった分,正直物足りなかったけど,それでも要所要所で見せたマー君のキレキレスライダー,阿部のHRなど,さすが!というところも。

それから,正直,鳥谷のアツいプレーにも驚きましたw

過去2回が王監督or原監督,そして,イチローとその仲間たちといったチーム編成だったことに比べると,今回は,全員一丸となっているチーム作りという印象でした。

■WBC2013馮10大ニュース
さてさて。
続いて,勝手ながら個人的10大ニュースを。次回振り返ったときの思い出用に:-)

第10位
 中国1勝の歓喜,ブラジルユウイチの涙

今回,日本の1次ラウンドプールAには,キューバ,中国,ブラジルの3ヵ国が入りました。実力的には日本とキューバが頭一つ上,結果的にもこの2チームが勝ち抜けましたね。
その中で,最終戦,中国とブラジルの戦い。どちらかがWBC初勝利を得るという状況の中,最後は5-2で中国の勝利。初勝利に湧く中国ベンチ,一方で,あと一歩及ばなかったブラジル,その中にいたヤクルト所属のユウイチ選手の涙が印象的でした。

第9位
 オランダ,韓国撃破からスタートした快進撃

今回のWBCはヨーロッパ勢の快進撃が凄かった!とくにオランダ。1次ラウンドの初戦,前回準優勝の韓国に5-0の圧勝からスタートして,あれよあれよと1次ラウンド,2次ラウンド突破,決勝ラウンドまで進出しました。
僕も東京ラウンドでのキューバ戦を観たのですが,型にはまるとかなり強いチームという印象でした。次回は日本にとっても強敵になりそう。

第8位
 ワオ!にドームラン,桑田のナイス解説w

試合そのものではないのですが,桑田の,淡々と厳しく的確な,そしてお茶目な解説。TV観戦中,これも1つの楽しみになりました。
桑田のコメントには,自分目線での発言が多く,また,既成概念で固まっている解説や野球指導法に一石を投じる内容が多かったのが印象的です。
たとえば,

結局は,自分が自分を信じてあげないと良い結果は出ない。 どれだけの応援者がいても最終的には最大の応援者は自分自身

なんていうのはすごく良いコメントですよね。

一番面白かったのは,オランダ戦解説時に,マエケンのピッチングに対して「ワオ!ですね」って言ったこと。あの桑田からこういう表現が出るところが面白く,また,それだけマエケンのピッチングが凄かったんだろうなーと。

あとこの試合の,阿部のHRに対するドームランっていう表現も良かったw

第7位
 1次ラウンドの観客動員数が過去最多を記録

4つのプールで行われた1次ラウンドの観客動員数が過去最高の46万3,017人になったと発表がありました。今回は,プールの開催場所もかなり散らばりましたし,また,他のところでも書いていますが,世界各地の野球熱が高まっていることが伝わってきたので,こういう風に観客数が増えるのはすごくいいですね。もっともっと盛り上がれ!

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-東京ラウンド

第6位
 NPB選手が世界各国で活躍

WBCはサッカーのワールドカップなどと違い,ナショナルチームへの所属条件が緩いこともあり,あんな選手やこんな選手がいろいろな国の代表として活躍していました。今回はとくにNPB(日本のプロ野球)所属,あるいは元所属の選手がたくさん出場し,活躍しましたね。
ざっと挙げてみると…


オランダ:バレンティン(ヤクルト),A・ジョーンズ(楽天)
ブラジル:ユウイチ(ヤクルト),フェルナンデス(ヤクルト)他アマチーム所属
台湾:陽岱鋼(日ハム),陽耀勲(ソフトバンク),王溢正(DeNA),林羿豪(巨人)
韓国:イ・デホ(オリックス),イ・スンヨプ(元ロッテ→巨人)
プエルトリコ:ロマン(ヤクルト),ジオ(元広島→DeNA),バルデス(元ダイエー)
ベネズエラ:レデスマ(ロッテ)
アメリカ:ボーグルソン(元阪神)
カナダ:マシソン(巨人),モレケン(日ハム)
イタリア:マエストリ(オリックス)

こんなにいます。しかも,現役NPB所属で各国の主力になっていたり。
野球といえばMLB,メジャーリーグが本場ですが,過去2回WBCチャンピオンとなっている日本のプロリーグのレベルの高さが証明された大会になりました。

第5位
 台湾,試合後に感謝のお辞儀

これ,球場で観ていたのですが,改めて振り返ってみて試合後の台湾チームでのマウンドでのお辞儀。あの礼儀正しさは素晴らしいですね。予想ではありますが,お互いの死闘を讃え合い,相手チーム,そして,何より応援してくれたファンへのお礼をするという気持ちが清々しかった。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-台湾

あと,あのときの試合で,観客席にいた日本のファンが東日本大震災に対する台湾へのお礼のプラカードを掲げていたのにも,グッと来るものがありました。

第4位
 マエケン,オランダ戦での完璧なピッチング

前述の桑田のワオ!ではないですが,2次ラウンド突破をかけたオランダとの試合,マエケンのピッチングが凄かった!この日は,これまでの侍ジャパンとはうってかわって,6HR,結果的に16-4のコールド勝ちと打線に眼が行きがちでしたが,マエケンの5回1安打9奪三振,とくにスライダーのキレが素晴らしかった。
WBC開幕前はマエケンの肩不安説が流れていましたが,結果的にはまったくそんなことはなく。今回,侍ジャパンのエースはマエケンでした!

第3位
 侍ジャパン,ベスト4で散る

いやー,ほんとにもう。残念の一言。プエルトリコという中米の強豪相手に,正直なところ,打ち急ぎすぎて負けちゃったなーという印象です。ダブルスチール云々の前に,相手のピッチングというか,モリーナのリードによる投球ペースに飲み込まれた感じ。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-侍スタメン

このときのプエルトリコ投手陣のテンポの良さは,全盛期の上原のピッチングを彷彿とさせましたね。ほんと,悔しいです!!でも,ベスト4,おめでとう!

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-プエルトリコ

第2位
 第3回チャンピオンにドミニカ,史上初の全勝優勝

本日,第3回WBCチャンピオンが決まりました。優勝候補の一角,ドミニカです。打線に,カノー,レイエス,エンカーナシオンなど,MLB主力級を揃え,先発にも,ボルケス,ロドリゲスなどエース級をズラリ。

結果は8戦全勝,史上初のパーフェクト優勝でした。

決勝をテレビで観ていたのですが,正直,3-0という点差以上にドミニカ圧勝でしたね。とくに7,8,9回のリリーフ陣,あの低めにビシっと決まるストレート,ツーシーム,あれはどの国も打てないんじゃないかなー。
あと,これはドミニカにもプエルトリコにも言えることなんですが,ファインプレーや得点シーン,抑えたシーンでの感情表現豊かなパフォーマンスは観ていて気持ちいいですね。本気度が伝わってきます。
最後の,マウンドでの歓喜の輪,心から拍手です!次回こそは!

第1位
 井端の同点タイムリー,激闘の末,台湾を撃破!

今回,僕が選んだ第1位は,2次ラウンド台湾戦での9回表ツーアウトからの井端の同点タイムリー。あの試合は実際に球場で観戦していて,本当に手に汗握る試合展開,最後の最後,ヤバイと思う中,鳥谷の盗塁(このとき井端がしれっと空振りでアシストしていたところもポイント高し),そして,あのタイムリー。周りのファンたちとハイタッチしまくり,ボルテージ最高潮になりました。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-井端

ああいう試合をこの眼で見られて,野球ファンで本当に良かった!と思いました。WBCも侍ジャパンも最高です!

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-勝利!

■アジアとアメリカ以外にも。
 ラテンアメリカ,ヨーロッパにも波及し始めたBaseball&野球を体感

あっという間に3回目のWBCが閉幕しました。

今回は初めて日本が優勝できなかったですが,それでも,オランダやイタリアなどのヨーロッパ勢の快進撃,そして,前評判が高い一方で決勝ラウンドに進めなかった中米勢の1,2フィニッシュなど,過去とはまた違った結果を生み,そして,世界レベルでBaseball&野球が浸透しているなーという印象を受けました。
言い換えると,これまで,日本は,アメリカ,キューバ,韓国を相手にしていれば良かったのが,これからは世界どころか,アジアNo.1の座もしっかり守るようなチーム作りをしなければいけないんだな,と。

個人的には過去3回ともアメリカが決勝に出ていないので,そろそろアメリカ,というか,MLBの選手にもガンガン出てもらって,本気で編成したアメリカチームを観てみたいです。もちろん,今回も粒ぞろいだったんですけど。

まとめると,やっぱ,野球は楽しいね!

来週末からはいよいよペナント開幕,楽しみだ!

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-ドミニカ

(写真は自分撮影のほか,MLB&WBC日本サイトから引用)

ベースボールマガジン増刊 WBC公式プログラム 2013年 04月号 [雑誌]/ベースボール・マガジン社