■2012年12月28日,松井秀喜引退発表
2012年12月28日,一人の偉大なプロ野球選手が,惜しまれつつ引退しました。
巨人(NPB)で10年,ヤンキースで7年,エンゼルス・アスレチックス・レイズで各1年(MLB)で計10年,日米で20年間活躍した松井秀喜選手です。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-松井

松井と言えば,プロ入り前の甲子園での5打席連続敬遠などつねに注目を集め,プロ入り後,当時ヤクルトの高津投手からの初HR,プロ4年目からは巨人の不動の4番として活躍し,トップを走り続けました。

余談ですが,入団会見時,背番号55が決まったときにインタビュアーから「巨人の55番で思い浮かべる選手は?」と聞かれたときに,ちょっと悩んで「ケアリーさん」と答えたのには吹きました。おいおい,そこかいっ!背番号7になる前の吉村とかいるじゃん!ってw
(補足として,松井の前の55番がたしかケアリー)

チャック・ケアリー→Wikipedia

さてさて。

その後,'96,'97年は2年連続で1本差でHRキングを逃し,もしかして無冠の帝王?的な雰囲気も出たのですが,翌'98年には初めてのHRキングを手に入れ,そんな周りの不安・雑音を吹き飛ばし,稀代のホームランバッターとしての地位を確固たるものにしたのが,とても印象的でした。それから,日本での最後のシーズン,ついに三冠王か!と思いつつも首位打者だけ福留選手から奪えず。それでも文句なしのMVPの活躍,日本一という思い出とともに次のステージへ向かいました。

2002年にFAでNYヤンキースへ移籍を発表,2003年のMLB最初の年は,満塁HRでのデビューとMLBでも華々しい活躍が期待されました。そして,もちろん活躍を続けつつも,2006年に試合中の怪我で連続試合出場が途切れ,そこからは膝の怪我を抱えながらのシーズンが続きました。その中での2009年ワールドシリーズMVP。あれは,凄かったなー。

晩年,ここ数年に関しては……怪我,年齢と戦い,その中でたんたんと練習をし,出場機会を待つ姿。全盛期の松井ではなかったですが,それでも,試合に出たときの真剣なプレイ,ひたむきさが強く印象に残っています。

と,昨日の引退ニュースを聞いて,巨人ファン,野球ファンとして松井の思い出を振り返ってみると本当に印象的なシーンがどんどんどんどん思い浮かんできて,改めて,巨人ファン,野球ファン,そして松井ファンで良かったなと思いました。

■#55――松井の思い出
せっかくなのでもっと思い出を振り返ってみようと,部屋にあった松井関連グッズを探してみたらいろいろ出てきました。

まず,新聞。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-メジャー1号

松井メジャー移籍直後,2003年3月1日のスポーツ報知です。オープン戦,いきなりホームランデビュー!ちなみに,シーズンも満塁ホームランでデビューするなど,本当にプレッシャーの中,華々しいデビューを飾りましたね!

続いて,『Number』を2冊ほど。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-Number1

まずは'98シーズン直前号。先ほども書いたとおり,2年連続1本差でHRキングを逃した後のシーズンイン直前。こんなセリフが載ってます。

「自分しかいない」と自信を持ち,「アイツで当然」と思われれば,本当の四番じゃないですか。


馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-Number2

2冊目は,2012シーズンもほぼ終わりかけの今年秋に発行されたもの。
この中では,初めてヤンキースタジアムに訪れたときの感想が掲載されています。

「球場そのものがまるで生きていて,息をしているみたいな感じでした。重くて,高貴で……あの瞬間,初めて伝統というものを肌で感じた気分になりました」


真の4番としてスタートした年,そして,新しいステージへの第一歩,幕引きまで,1つ1つのコメントに重みがありますね。何より,選手として結果を残しているところがすごいです。

素晴らしいスポーツ選手の引退時には,よく,

- 記憶に残る選手
- 記録に残る選手


のいずれかで表現されることが多いと思います。しかし,僕の中の松井に限って言えば,「記憶に残る選手」であり,「記録に残る選手」でもあります。本当に個人レベルですが,同い年という共通点もあったり。

そんな中,僕が実際に観戦して,一番印象に残っているシーンがこれです。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-NYY1

この日は,2006年9月12日,NYCのヤンキースタジアムでの試合。松井は,この年の5月に守備の際の左手首骨折という大怪我のために,それまで続いていた連続試合出場1768が途切れ,長期離脱後,復帰戦でした。

球場は,試合開始前から松井待望論,日本のメディアもたくさん来ていたのを覚えています。そして,最初の打席を迎えた瞬間,本当に球場が壊れるんじゃないかと思うぐらいの歓声,スタンディングオベーション。観客席の中にいて,本当に鳥肌が立ち,また,自分自身も心を込めて思いっきり拍手をしていた,あの“場”を今でも思い出すくらいです。

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-NYY2

その日の結果は,4打数4安打。最高でした!

■「松井を知ってる」と自慢できる幸せ
以上,松井解説風に,自分の思い出なんかを盛り込んでみましたが,本当に松井秀喜という1人のスーパースターを,活躍している時代に知ることができたのは,ファンとして幸せです。
今回,松井の引退のニュースを聞いて,以前,何かのテレビ番組で,たしかSMAP中居君が「親父たちの世代は王・長嶋の現役を観たことを自慢するけど,俺らの世代はイチロー・松井の現役を観たことを自慢できるんだぜ」って言ったことを思い出しました。

そして,昨日の引退会見から。

-今、自分にかけたい言葉は

 松井 「よくやった」という気持ちはありません。「頑張ったね」というのもない。そんなに苦労した思いもないですし「もう少しいい選手になれたかもね」ですかね。


素晴らしいですね。敬服します。

松井選手,本当にお疲れさまでした。そして,ありがとう!

松井の活躍を観ることができたんだぜ!

馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-松井ありがとう!


試合数 : 2504
打率 :.293(安打数:2643本)
本塁打 : 507
打点 : 1649
その他Wikipediaの情報



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