今日はちょっと趣向を変えて。

自動車とソーシャルについて書いてみます。

きっかけは、昨日からエントリが始まった「TOYOTA SOCIAL APPAWARD」。

$馮富久のブログ - Tomihisa Fuon's Blog-TOYOTA AWARD
TOYOTA SOCIAL APPAWARD
http://www.toyota-app-award.jp/

●実は人に一番優しくない「マンマシンシステム」?
本題に行く前に。

この見出しを書くと自動車関係者の方たちに怒られそうですが(^^;、僕が芝浦工業大学に在籍していたとき、小口教授(4WS:4輪操舵の開発に貢献した人物、自動車工学の著名人)の授業で(1997か1998年ごろ)、

自動車って、実は、人に一番優しくないマンマシンシステム(人間と機械・装置との組み合わせ)なんだよ

こう解説してくれたのを今でも鮮明に覚えていて、引用してみました。

どういうことかというと、そもそもマンマシン(人と機械の組み合わせ)というゴールにおいて、免許を取る必要がある、つまり習得に時間がかかるという前提に対する発言だったように思います。

この考察や議論については、僕自身が専門外でもあるので本ブログで進めるのは難しいですけど、たしかに免許が必要なシステムって難しいなーと。その点、自転車とか、日常家電というのは(操作面において)人に優しいわけです。
(想像ですが)あの授業から10年以上が経ち、今では各種センサ技術の進歩、自動運転の自動車の研究が進み、どんどん人に優しいマンマシンに近づいているんでしょうね。
(車庫入れの際のアラートなんかも、その1つと言えます)

●自動車に関係したソーシャルアプリ
さてさて、本題に。

今回、TOYOTAが先ほどのようなアワードを主催する一番の理由はマーケティングなんでしょうが、個人的にこういう取り組みは大好きです。

概要を見てみると、
アプリ企画のみでエントリー可能
 より多くのアイディアを広く集めたい、という思いから、ソーシャルアプリの企画を募集します。クルマを楽しくする、クルマへの関心を高めるような要素をいれた企画を立ててください。

クルマに関連する(クルマの楽しさ・面白さが伝わる)アプリであれば、どんな企画でもOK。

となっています。
なので、実際に運転する人間ではなくても、自動車に乗る立場から企画ができるわけですね。こういう、さまざまな視点で参加できるアワードって言うのはすごくいいと思います。

●実用的な自動車関係のソーシャルサービス/ネットサービス
アワードに合わせるわけではないですが、せっかくなので、すでに存在している、実用的な自動車関係のソーシャル/ネットサービスをいくつかご紹介します。

・カーシェアリングサービス
ZipCar
http://www.zipcar.com/
これは、自動車を個人で保有せず、近隣の人達で所有していこうというコンセプトのもと、スタートしたサービスです。通常のレンタカーと異なるのは、時間割で借りられるという便利さ。さらに、対面で車を借りなくとも、ネット経由でレンタルできる仕組みになっています。まさにリアルソーシャルの関係に、ネット(位置情報など)の技術を組み合わせた、すごく良いサービスですね。
詳しくはgihyo.jpの記事もご覧ください。

第4回 ZipCar:世界で話題のカーシェアリング
http://gihyo.jp/design/serial/01/web-trend-report/0004

ちなみに、日本でもパーク24株式会社が同様のサービス「タイムズプラス」を積極的に展開しようとしています。

タイムズプラス
http://timesplus.jp/

・Google マップナビ
http://www.google.co.jp/mobile/navigation/
もう1つは、昨年Googleが発表した「Google マップナビ」。
これは、Android向けのアプリで、ルート音声案内やGPS情報を使ったルート再検索、さらにルート沿いのお店検索などができるというものです。
その凄さはこの動画をご覧ください。



個人的にこのアプリがいいな、と思うのは、自動車を運転していない人の情報と自動車を運転している人がつながるところ。こういうのはまさに“ソーシャル”ならではですね。

●未来の自動車社会
昨今の東京および首都圏を見ていると、必ずしも自動車を保有していなくても、満足できる生活ができるようになってきています。逆に、自分が子どものころと比較して、自動車を保有することが大変な状況にもなってきてると感じています。
こういう時代背景の中、ZipCarのようなシェアの考え方、あるいはGoogle マップナビのような位置情報を活用したものがどんどん生まれてくれば、自動車を保有している人も、保有していない人も、社会システムにおける自動車の位置付けが変化して、未来の自動車社会が生まれてきそうですね。

たぶんその鍵を握るのがソーシャルなんじゃないかと。そして、ソーシャルまでが加わった、新しいマンマシンシステムが構築できれば、人に優しいシステムに近づけると思っています。

僕も何か「ソーシャルを活かした」アイデアを考えて応募してみよう!

ps
余談ですが、僕は18歳で免許を取りましたが、36歳まで公道を運転したのが1回、あとはまったくもって経験なく、真の意味でのペーパードライバーです:-)

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略/レイチェル・ボッツマン