先日、1200円のサービスデーと休日が重なったので、吉祥寺アップリンクで「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。


映画館でちゃんと映画を観るのは、娘と観た「映画 スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」以来で、一人で映画を観るのは「男はつらいよ お帰り寅さん」以来という感じです。


やはり映画館で観るのはいいですね。

窮屈だけど、集中する密度が家とは違います。

コロナの影響か、周囲で誰もモノを食べる人がいないのもいいです。


3時間もある映画なので寝てしまわないか不安でしたが、案の定、2回も睡魔に襲われました。最前列で観ると椅子にふんぞり返る姿勢になるので、油断すると眠くなるのです(椅子の角度がまた素晴らしいのだ)


1回目は野外稽古している場面で、2回目は北海道のどこかの場面だったか。どちらも数分ぐらい寝てしまった。野外稽古の場面は結構重要な場面みたいなので残念。


でも冒頭の浮気現場のシーンや、車の中のシーンとかは緊張感があってよかったです。


浮気現場のシーンを見てふと、今村昌平の「うなぎ」(そういえば、これもカンヌで評価されましたね)の役所広司を連想しましたが、役所広司が家福の役を演じたらどうなっていただろうかとか妄想してしまった。奥さんをめった刺しにして服役して娑婆に戻ってからの話になるのかな。でも殺してしまったら俳優や演出家として社会復帰するのは難しいか。とか。


西島秀俊さんは知的な(横浜国立大卒!)佇まいといいますか、誠実そうで見てて安心できるところが好きなのですが、出ていると、面白くなさそうなドラマだったとしても、この人が出ているとつい見たくなる役者さんの一人です。


最近だと「おかえりモネ」や「真犯人フラグ」とか見てますが、改めて素晴らしい役者さんだと思いました。


思えば、竹内結子さんも私にとっての「出ていると見たくなる」役者さんの一人でしたが、「ストロベリーナイト」で共演した西島さんは竹内さんを亡くした喪失感を、家福と重ねながら演じていたのではないかしらとふと思いました。


この映画はなんらかの喪失感を抱えた人々を治癒してくれるような、言わば福音のような作品だと思うのですが、私はというと、奥さんは浮気しないし、肉親や親戚はみな元気だし、なんて恵まれているのだろうと再認識しました。


だからこそ、この映画に涙するほど深く入り込むことがなかったとも言えるのかもしれない。