年末のこと
『すみません、ちょっと話したいことが…』
急にメールがあり、
黒い人はある人に会いに行った
黒い人はなぜか職業的にシェフと呼ばれる人たちと仲が良い
というか、シェフ知り合いが多い
その中でもけっこうな顔なじみの人からのご連絡
仕事も忙しかったのだが、
そんなに滅多な事で連絡してこない人でもあったので
気になる気になる
仕事にならなくなる前に、お伺いする
なんですかね?
「実はさ、うちの店にサンタが入りました」
それはクリスマスの片付けが終わり
街中が新年を迎えるための作業に忙しい頃の話
サンタ…黒いサンタってこと?
「そう、黒サンタ。もってかれました…」
物騒な世の中だもの
うちは大丈夫というのは通用しない時代だもの
どうやらやられたらしい
ブラックサンタに逆プレゼント
クリスマス前の連休の売り上げをごっそりと
それは痛手でしたね
「まあいろいろと警察とか呼んでなんだかんだでしたよ」
年末のクソ忙しいときに、
必要以上の作業をしたため
シェフたちはとっても疲れていた
さて、俺が呼ばれた理由だが?
「うん、とりあえず謝ろうと思って」
なにを?
「だってさ、警察に聞かれるわけさ。
『怪しい人物とか、思い当たったりしませんか?』
って」
なるほど、警察はそれなりにお決まりの文句を言うんだね
「でね、
『店のカメラとか、近所の監視カメラとかで怪しい人物とか、黒い人影とかをみたらお伝えします』
って」
…
「だから、ごめん! 浮かびました!」
スタッフ一同、頭を下げる
う、う、浮かんだ…俺?
「うん、浮かぶよね。疑ってないけど、黒いって言われたら、浮かぶよね」
く、く、黒いけどぉ!
そうなのだ
スタッフ総出で、警察の言葉に黒い人を思い浮かべてくれたのだ
ある意味、ありがとう
黒さが定着しているってことだよね
でもさぁ!
「だから疑ってないってば!」
弁護するシェフ
でもこれから、警察とかで
「ホラ、黒ずくめの人が怪しいです」
とかって言われたら、真っ先にまた疑われるんだろ?
「いや、疑いはしなけいど、浮かぶよ、絶対」
断言かよ!
「だからごめんってば!」
そんなこんなで
スタッフのせめてもの謝罪としてちょっと奢っていただきました
実質、事務所にもお邪魔したことがあるので
指紋検出したら俺のがでてくるかもしれない
まあいい、
警察に指紋を取られる経験はいまんとこないし
「そういう時は、重要参考人扱いになるだろうけども、僕たちは決して疑いません!」
そんな素敵な言葉も皆様からどしどし頂きました
「浮かんでも、疑わないと誓います!」
いいんだけどさ
疑わしい格好をしているのは事実だし
でもさ、もしかしてもしかしてだけど
連行される黒い人っていうのも、ちょっとは想像した?
「した!」
断言かよ!
年末、世間があわただしいと世の中は物騒のようで
ちょっとだけ濡れ衣をきせられた、そんな黒い人(※容疑者)でした