そもそも確か

シェフとメルアド交換した理由は


新年会と称して、

シェフのお店ではないところで飲みましょうや


という話からだった



そういえば新年会、まだしてないですよねー


お互い忙しく、

二月になった今もまだ達成できてないイベント事


一足飛びで

旅に出るなんて


できちゃった結婚よりも展開早くない?

つきあう前から、プロポーズみたいじゃない?


これで二人の距離がグッと縮まって…

って、なるわきゃない



成分のほとんどが豆乳と人見知りと人間不信でできてる黒い人


おはようございますも忘れて自分を落ち着かせるのに必死だよ!


まあ、おはようとかの挨拶の意味がないくらい

合流までが濃かったことは否めない


なかなか素敵なプロローグをありがとう


未だぜぇぜぇと

普段の運動不足から来る過度の酸素吸入に体を慣らしながら、

ようやくシェフの隣に座った


「どういたしましてー」


気さくな笑顔が、

アナタの特徴であり、魅力であり、凶器なのだと知る


先に新年会して、シェフをよく知っとくべきでした




しばらくはぜぇぜぇとしていたが

だんだんドキドキし始める


よく考えたら、そんなに知らない人と遠出してるよ?

誰この人、なんで隣にいるの?

こんな私服の人、知らなーい
※↑通常コックコート



普段お店に入るときは、

正直アルコールがすでに入っている

もしくは、着いてすぐにアルコールを入れるわけで


そっからはなんとなくノリと勢いで

人見知り成分の分泌を抑え

用法・容量を守って正しくお付き合いしている



しかし、シラフ!

いま、シラフ!

素のツラと書いて、シラフ!


シェフ、俺、シラフ!


「着いたらすぐ呑めますよ」


違う!

酒が足りないと言ってるんじゃないんだ


わしゃ、たちの悪いアル中か?

手がワナワナふるえるか?

まだだね!
※↑未定




ワイナリーを廻るから、間違いなく

試飲と称してガンガン飲むだろうけども

味が分かるのか、この緊張で
※↑かなりガチガチ



アメトーーークであった

人見知り芸人代表、オードリー若林並みに

目についたつり広告を必死に読み漁る俺

乗ったばかりでもはや帰りたい!


帰してー

今から棄権します!



「はい、これ」



ごそっと渡される資料

んー、オモイオモイ


なによ、これ?



「今日廻るとこのワインをホームページからプリントしてきたやつ」


お、おまえの資料だろ

俺に渡すなよ

なんで、俺が真面目にワインの知識をこれ以上入れるんだ
※↑ちょっとは入っている

いらんわー…


あ、待って!

でも読むー

くまなく読んで、自然に忘れる!


だってその方が時間がつぶせるもの!


「ですよね、そういうと思ってました」


サクッと言い放って、やつも自分の膝の資料に目を落とした



て、手玉に取られてる!

俺のすべてを見切ってる、コイツ!


何この人、気持ち悪い

見ないで!

俺の心を読まないで!



「あ、そうでした。…ハイ」


さらに手渡された物にヒヤリとした

いや、冷たかったのは手じゃなくて、背筋…


渡されたモノは、

缶ビール…



「一杯目は、ビールですもんね」


それは俺の口癖

いつもの、だよ


「待ってる間に買っときました。急がせてすみません」


にこり、笑顔。


…恋に落ちるって、こういうこと?

違うわーっ!!





電車は、葡萄の香りに向かって進んでゆく
※季節外れてるけど

まだまだ、2人を乗せて走り出したばかりだ