黒い人は外で打ち合わせ
人を待って立っていると
目の前にいた親子連れの会話が耳に入ってきた
父と息子はサイゼリヤの順番を待っているらしく
店前のベンチに並んで座っている
息子(幼稚園児くらい)は父とのお食事は久々なのか
かなり上機嫌である
世間はまだ正月休み
お父さんも、たまにはお母さんの代わりに息子の相手をしてるといった感じだったので
俺も微笑ましく見ていたんだが
テンションが上がり始めた息子の声がどんどん大きくなる
「お父さん、何食べるか決めた?」
当然ながら、父はメニューみてからだよと答える
「ボクね、もう頼むの決まってるんだ」
へー
保守!
冒険しようぜ、新メニュー
とか勝手に会話を聞いていた俺だったが、そっからの子供に驚愕する
「えっとね、まずね、
煮込みハンバーグでしょ
あ、ライスとぉ~
辛みチキン、あんまり辛くないんだよ
で、グリンピースのね~、あ、じゃなくて、青豆の温サラダ…の卵の方
飲むのはキッズドリンクバーでしょ
あと、ポップコーンシュリンプ!」
メニュー名まですらすら出てくるのにも驚いたが、
何より量である
一般成人男性でもサイゼリヤで2000円コースは
あまりないだろう
そして一般成人男性の1日のそう摂取カロリーよりも高いんじゃ…
っていうか、お母さん!
心配してください!
若年性生活習慣病予備軍だよ
一目瞭然だよ!
て、おまえはどんだけ息子をここに連れてきてんじゃい!
たまには手料理振る舞えよ
もっと頑張れよ!
見えない母に渇を入れてると
父がさすがに止めに入る
「おまえ、昨日もママが作った煮込みハンバーグだっただろ」
息子は首を振って、笑顔で答えた
「だってママのよりサイゼリヤのが全然美味しいもん」
ひどい!
息子、ひどい!
お母さん、しっかりしてください!
急にママの味方だ、黒い人
そして父はとどめを刺す
「そうだなー」
おかーさーん!!
幸せ家族の縮図を、心底思い知らされた瞬間だった