過度な親の期待を一身に受けて
子供はどんな成長を遂げるのだろうか
ちょっと考える
うちの子なら大丈夫
できる子だから!
それは自分の子を、あるいはそのDNAを組み込んだ自分を過大評価しすぎているのか
もしくは周りの子供を過小評価することで、自分ポジションを上げようとしているのか…
買い物の最中のこと
試食売り場で立ち止まる親子を見つけた
試食として配っていたのは、中華まん
この時期、多いな、中華まんの試食
要するに、パンである
普通の中華まんを6分の1にカットしている
それでも60°の角度をもっただけの大きさ
一口サイズでも、3歳くらいの男には大きなお口であーんだよ
「ありがとう!」
元気なその子は、配ってたおばさんにお礼を言い
中華まんを受け取った
「あ、すみません」
お父さんも受け取った
父、一口でぱくつく
おいしそうに、試食完了
子供は父の背中を見て育つ
息子も負けじとぱくっとね
行くわけだ
そりゃそうだ
なんとなく予想はできたよ
「あ、おまえ、ガム!」
中華まんのすべてを、その小さすぎる口に詰め込んだ時に
父親が思い出したように一言
どうやら子供の口にはガムが入っていたようだ
もちろん自分の口にも入っていた
だから思い出したんだろう
「飲むなよ! ガム!」
子供、うなづく
うんうん
…うーんうーん
違うだろう
無理だろ?
口の中いっぱいになってるのに、ガムだけ飲まないで
今口の中にある中華まんを飲み込むのは
ただでさえ、一口が大きかったよ、間違いなく
そして、自分の子ならできると過信するパパは
さらなる無理難題を告げる
「ガムをよけて、ガムは右側の歯の外において」
ん?
んん?
「で、まんじゅうは左で噛むの。できる?」
うなずく息子
うんうん
んーん!
んーん!
できません!
G難度だよ
大人にだって結構高度な技だよ
こんな靴のサイズが13センチにも満たないくらいの子供にそんな偉業が成し遂げられるわけもなく
というか、ならば先に言ってやるべきだったんじゃないか
間違いなくすでに口の中でガムと中華まんが混然一体に…
しかし否定も肯定もなく
ただ口いっぱいにしてうなづく息子
そしてどうやら口の中でガムらしきものを探している様子
し、死んじゃうよ?
はやく飲み込まないと
でもね、パパに言われたんだ
飲むなよ、ガム!…って
そして必然的に、中華まんも飲めない!!
奮闘する息子
わが子の頑張りを見つめるパパ
歯がゆい気持ちで見つめる俺
っていうか、息子涙目!
涙目!
たまらず中華まんを配ってたおばさんが
キッチンペーパーを、ボウズのお口の前に差し出した
ぶは!!
全部吐き出す子供
ガムも試食のまんじゅうも唾液も全部だ
「なんだよー、もったいないー」
父!
父よ!
かなりひどいぞ!!
お前が息子の年だったとき、自分がそれをできたと思うのか?
それとも、俺の息子だからできると言い張るのか?
っていうか
口のキャパどころか、脳のキャパシティーまでMAXくらって
涙出てたじゃないか!
子供に無理を言うんじゃない!
最後にその場を去るとき
父は、息子の頭を押さえ
「ほら、ごちそう様しなさい」
と言った
ええええ?
おまえは食べたかもしれねーが、僕は食べてねーから!
ごちそう様もなにも!
そんな顔をして、一瞬父を見上げた息子だったが
「ごちそう様!」
笑顔でおばさんに手を振るのだった
けなげ!
おじさん抱きしめたくなっちゃったよ
けなげ!
きっと彼は大きくなる
心の大きな子に育ちますよ、お父さん
あなたのお子さんはできる子です
だからもう少し、難度を下げたレベルからお願いします…