黒い人が外人嫌いだから
だから目につくのか、外人
だって、避けるようにするために率先して見つけて
率先して遠ざかっていかないとならないからね!
いやいや、そうでもないのか?
外人だから、基本的に目立つのか
行動が、異世界の住人だから
だからなんか日本だと目立っちゃうのか?
そうか、後者だ!!
電車に乗っていたら
お兄ちゃんの膝枕でぐっすりと眠る妹がいた
けっこうな混雑な電車内だが
シート二人分使って寝る妹
その隣のシートに座るお兄ちゃん
そして一人で1.5人分シートはゆうに使うだろう
マームという単語がくそ似合いそうな素敵な体格のお母さん
1ファミリーで4シート強使ってたな
怖い怖い
そう、そのファミリーは外人だった
なぜわかったかって?
髪の色が全員金髪だったからだ!!
ああ、外人だー
やっぱり目立つなー
目の前に立っていたが、早々に場所を移動する俺
苦手なんです、基本的に
マームは、息子の太ももを枕にして眠りこける娘の髪を
しっとりとゆっくりとなでながら
目の前に立つ、ママ友と話をしていた
あ、ちなみにママ友も外人である
なんでわかったかって?
彫りが深いからだ!
さて、話に夢中になるマーム
なでている手はすでに髪を範疇を超え
耳の下あたりから頭の頂点までをこそげるように触るほどになっている
ぷっくぷくの手が頬から額へと動く
まぶたの上を通過するたびに
女の子の目は半目で白眼で開かれる
そんなに力を入れてやんなよ
白眼になっても寝ているその子が気になって
みつーめてーいたーい♪
なにーしてーいたーい♪
どうやらその一家の降車駅が近づいてきた
一番最初に動いたのはお兄ちゃん
気持ち良さそうに眠っている妹を無視して
ぴょんっと立ち上がる
ガクン!
枕の急な洗礼により
頭を落とされた妹
兄の心ない行動をマームは叱った
「危ないでしょ!」
※たぶん。だって異国語だったもん
兄は悪びれる様子もなく、自分のリュックを担いだ
「もう…」
やんちゃな男の子なんて、こんなもんなんだろう
マームは息子は無視して、娘に目をやった
寝とる…
こんな仕打ちをされたのに
起きる様子もなく、寝てるぞ、妹
さすが、マームの半目攻撃に耐えるだけの睡眠鍛錬ができている!
降りなきゃならないんだ
幸せに寝ててもらっても困る
マームは娘をゆすり起こした
耳元で優しく囁き、眠る天使を起こす
んんんん…
天使は急に不機嫌な顔になり、ぐりんと体を回転させると
抵抗するようにもう一度夢の中へ
「だめよ、起きなさい」
※たぶん。だって聞こえない
肩を掴んで上半身を起こす
ここで天使に悪魔が降臨する
「んんーーー!!」
そのマームの手を嫌い
パシッと払うと
再度横になる
そして、一言叫ぶ
「まだ眠いの! うるさい!」
※たぶんだってば
起きる気、なし!
その上、ぐずり方が赤ちゃんよりも強いのでたちが悪い
あ、ちなみに見た目は小学生くらいの女の子だが
多分外人は見た目老けて見えるので、
5歳くらいなんだと思われる
マームは周りの目を気にしながら
「降りなきゃいけないのよ、起きて。お願いだから」
ぐずるわが子を必死で起こすが、抵抗する娘
もはや娘の思考は起きているのだろうが、
ここまで来ると、ちょっと意地も入ってくるんだろう
いやでも寝る方向だ
そんな妹に、兄の痛恨の一撃
ばし!
容赦ないチョップが!
「あ!」
「あ」
みていた乗客の数名が同じタイミングで小さくつぶやいた
そして妹のわぎゃん砲が炸裂する
「ぎゃーーーーーーー!!!!」
眠りを妨げられた時点で、かなり怒りが来ていたのに、
さらなる仕打ちに公共の場を忘れて
本気で泣き叫ぶ妹
あわてて、殺害の領域に近いほどの力で
口をふさぐマーム
悪びれる様子などまったくない兄
んんんんーーーーーーー!!!
押し殺される声の中に、兄への罵声がきっと入っているのだろうが
俺にはそれを解読するスキルがない
一家は開いた扉からあわてて降りて行った
妹は、小脇に抱えられ
マームの荷物となっていた
シーンと急に静かになった車内には
間違いなくあの子の残し物である靴が
ちょこんとそろえて置かれてあった
皆の視線を集めながら…
みつーめてーいたーい♪
だきーしめーてたーい♪
んんーふふーんんふーふふー…