デスクにてぽちぽち


お仕事ぽちぽち

地道な仕事だ


単調な仕事だ


これはもう、RPGといってもいい


ただの経験値稼ぎといってもいい

レベル上げの地味な作業以外の何者でもない



しかしもう慣れたし、日常だし、苦にはならない

仕事なんてそんなもんだとも思うし




その田舎上がりの地味な勇者を目指す俺の目の前に、

悪魔の使いか謎の刺客か

不意にそいつは姿を現したのだった



別部署でフロアも違うし

今までまったくかかわりなかったのだが


新規のプロジェクトで部署でのかかわりがあることになり

このたび初めて打ち合わせと称した挨拶に来た女性がひとり



俺の席の後ろにあるミーティングスペースに座り、

和やかムードで数名と談笑している


こいつが俺にとっての刺客


髪の長い、真っ白のスーツでかわいいヒールを履いたウィザードである


一部で有名だが、黒い人はあまり睡魔に襲われるということがない


NASAに行けばいいのにといわれるほどに、睡眠時間が少なくていい体質をしている


実際、今週はほんとに日に一時間ほどコンスタントに睡眠をとっているので、

すこぶる体調がいい


そんな俺に、恐怖の出来事が襲いかかった


お仕事ぽちぽち


その日もぽちぽち

普段どおりのペースでお仕事


そして、席のうしろのミーティングスペースに魔女は座る



彼女としてはなんてことない

普通の普通の談笑



しかし彼女の声が、ラリホー

いや、ラリホーマほどの威力をもって俺に襲い掛かってくる
※ああ、ラリホーマは全体魔法か…


はじめはなにが起こっているのかわからなかった


とりあえず、いきなりキーボードを打っている手が止まってしまい

そのまま、学生の頃以来の


ガクン!


を経験


そう、まるで何らかの液体をしみこませたガーゼを口にもとに当てられたかのように
※断っておくが、そんな経験はない

一気に深い眠りに落ちるところだったのだ


軽くパニック、メタパニかかった



伸びをして、普段の自分を取り戻す


そして同じようにキーをたたき始めると、呪文が聞こえる


ガクン!


なんだとぉぉ?



奴の顔を見る

くそう、おっとりした顔と声で俺を翻弄しやがって
※とばっちり



なんだろうね、周波数があってるのかな


アルファー波的な何かが、彼女の声から出ているのだろうか


びっくりするくらいの魔法成功率だ

俺、この人と付き合ったら、毎日寝てるな…


「次からの企画、彼女も入ってもらうことになったから。指導よろしくね」



上司に紹介され、指導者が決まる…って、俺?



むりむりむりむり


相手は最強の魔女ですよ? 


光の玉でもない限り、俺の攻撃なんて一切効きませんから


誰かが彼女の横で、ザメハを俺にかけ続けなければ仕事になりませんから~


「よろしくお願いしまぁす」


魔女、笑顔で挨拶


Zzzzzz

は!

負けんぞ、マホトーン!


そんなにないぞ、俺のMPは!


しょせん遊び人からのなりあがり賢者だ
※それもかなりの過大評価だが


癒し系なのか最強呪文の使い手か


黒い人の新チームに、白魔導士配属