映画は基本的に一人で観たい派だ
隣に知り合いがいたりすると
作品自体に集中ができない
誘ったりしてみたら
「この人、大丈夫かな? 僕が誘ったことでおもしろくない時間を過ごしてないかな?」
そればっかり気にしますよ
でも、ま
それを知ってか知らずか
よく誘われます、映画
しかも、水曜日に
そう、レディースディに付き合わされるのです
「観たい映画があるんだー。明日、レディースディだしね」
俺も観たい映画ではあったので、誘いに乗ることにする
夕方の待ち合わせに
黒い人は雨の中出かけます
待ち合わせ時間から14分遅刻して
誘ってきた相手到着
ま、いつものことなので気にしないし
待ってる時間もゲームをして充実させてますよ
「お待たせー」
うん、あやまらないんだね、うん
わかってた、俺わかってたよ!
さて、観に行こうとしていたのは「告白」
原作を読んでる俺としては、どこまであの世界観を忠実に再現してるのかを観たい作品ではある
ということで合流して、映画館へ向かう
みちすがら、彼女が映画について語っていく
「松たか子、好きなんだよねー」
そうですか、俺はお父さんの方が好きですが?
「原作があるんだね」
小説だよ、本屋大賞を取っててね
俺もそのときに読んだんだわ
「ねね、相手役って誰?」
ん?
相手役ってなんだ? えーと、出演者は岡田くんとかだけど…
「へー、若いねー」
だんだん、話の雲行きが空模様並みに怪しくなっていく
別に若くてもいいだろうし…
そういえば、この人がこの映画をチョイスするのって
結構意外だったりするな
ひょっとすると、ひょっとする?
ねー、あらすじ知ってる?
「え? 恋愛モノじゃないの?」
ぎゃふん
声に出して、ぎゃふん
どうやら
告白 = 淡い初恋
的な方程式が彼女の中で成立していたようだ
知らない人のために
松たか子主演 「告白」のあらすじ
三歳になる愛娘が自分の勤める学校のプールで溺死。
犯人は、このクラスの37人の中にいると突き止めた女教師の、復讐劇が始まる。
「告白します、犯人はこの中にいるのです」…
別に愛の告白だけが、意味するモノではないのだが
どうも勘違いしていたらしく…
黒い人、彼女にしっかりと説明します
「えええええ? じゃあ、ぜんぜん観たくない!」
ぎゃふん
再度、ぎゃふん
そんな言い方ですか!
一言でぶった切りですか!
さすがに憤慨して、彼女をただすべく口を開く黒い人
しかし彼女の不満は募るばかりでございます…
「じゃあ、他のがいい! なんかお勧めないの?」
きゅう!
お前って、急だなー…
お勧めって言われても…
「最近観たので、面白かったのは?」
えっと-、一番最近観たのは「孤高のメス」と「ヘタリア」、あと「プリンスオブ…」
「どれが一番面白かった?」
え? 僕的には「孤高のメス」が…
「じゃ、決定。それ観よ!」
え?
ええええええええ?
だってさ、俺が好きってだけで、俺好みってだけで
決してあなた好みじゃないし
医療系だし
「ジェネラル、観てるよ? あとね、コードブルー」
ドラマです、それは…
なにより、俺はもう観てるんです、その映画を!
「だって! 面白くないとわかってる映画よりも、面白いと言ってる人がいる映画の方が損しないじゃない!」
俺の損はどうなるんだよ、こんちくしょーーーー!
結果、彼女に押し切られて
二回目の鑑賞
劇場を出てからの感想は
「吉沢君出てた。かっこよかった」
とのこと
まあ、満足してくれたならよかったですけどね
でも、何この憤り
けっきょく「告白」観れてないんですけど?
もし本当に世の中で復讐が許されるなら
俺は今、となりにいるこの女に小さな復讐をしたいと切実に願う
買ってあげた紙コップのコーラの中に
ポーションのミルクを入れて
渡してみる☆とかね!
ささやかささやか……