東京はとても風が強い


正直引きこもり気質の俺は家から出たくないと思ったが



仕事なのでどうにもならない



風力ピークなんじゃねーか?


と思う時間に家から出て、仕方なく仕事をこなし


その帰路でベンチに腰掛けて空を見上げるおじいさんに出会った



ハイジのおじいさんというよりは、ネロのおじいさんに似ている


違いが分かった人はマニアだ



白いひげのじいさんは生きてるのか?という顔で空を見上げている


寒いだろうがよ



ほっとくとそのまま空へ旅立っていくんじゃないかと懸念していると


彼の元に一匹のフェレットが寄って行った



リードにつながれた散歩中フェレット



余談だが、フェレットのリードってちょっとチューブっぽくてかわいい



もとい、


空を見ていたおじいさん、足元の生き物の気配に下界に戻ってきた



しかしそいつを見て



「ぬぅあぁっぁ!?」



声にならない声


じいさん、そのまま天に召されるかとドキドキしちゃったよ



あわてて駆け寄る飼い主さん



飼「すみません…」


じい「いやいや、これはなんですか?」



じいさんはフェレットというものをはじめて見たようだ



飼「フェレットです」


じい「ふ…」



おお、リアルでバニーボーイが聞けるのか?


黒い人、ちょっと期待


いいタイミングで言うよ


鳴かないんだよ!!





じい「……モグラですか?」



あ、繰り返すことももう諦めたな!



飼「違います!」


じい「珍しいもんですね、なんですか?」


飼「え? だからフェレットです」


じい「え?」


飼「え?」



会話続かず…


ちょっと離れたところにいたが、黒い人は足をとめずにはいられなかった


じいさんはその生き物は何かと飼い主に問うている


飼い主はフェレットという名前以外の知識をどうやら知らない



こいつらの会話は、今後も成り立たないだろう


たまらず助言する黒い人



イタチですよ~、欧州ではペットとして昔から



すると飼い主がビックリ



飼「イタチなんですか!」



お前飼い主の資格なし! 


なんでそんなことしらないんだよぉ~



ただし、じいさんがさらにそいつに興味を持つ!


じい「ああ、そうですか。じゃあ外人さんだ」



食いつくところはそこじゃないぞ!


飼い主さんは金髪でしたが明らかな日本人ですよ


しかし理解したようにうなずくじいさん



しかし相手はおじいさん…


黒い人は困り果てる!


が、が、外人さんです…



飼「違います!」


知ってます!



じい「お知り合いですか?」



黒・飼「違います!」



噛みあわない三人の、強風の公園での会話……


唯一理解しているのはイタチ科フェレットのみである