わが輩はいぬばかである


自覚はまだない



外は雪で真白に染まっている


雪国育ちだから感じるのか、雪の日って静かだ



基本的にいぬばかは静かなのは好き


こういう日はほんとは公園に気分よく散歩に行きたい



でも寒いのだめ


でも白いのだめ


カンタービレだめ



ということで公園は断念


黒い人は世の中の一点のシミになりたくないので


おうちでおとなしくすることにする



思えば実家だったら


愛犬と一緒にこんな日は屋上でかけまわる



屋上だったら大丈夫


世の中の一点のシミである事実に家族しか気づかないから


愛犬と二人で二点のシミであるから



でも寒いのいや


でも白いのいや


もろへいや



足が冷たくなって、いぬばか避難


肉球がじんじんしてきて、いぬ救助信号



「た~す~け~てぇぇぇ……」



一歩も動けなくなり、バカいぬ救助信号


凍死寸前になるまで嬉しくて駆け回るなんて


お前、子供か!


いや、いぬだったね



こいつはうっかりだ


涙目の愛犬を雪の中から救出して


ぬくぬくのお部屋であったまる




こんな日は、日課のお散歩に行くかどうかを愛犬と協議する




今日のお散歩どうする?



「いかないー。歩けないもん」



じゃあ、お洋服着て


だっこして出かける?



「ええ? だったら行く~!」



さっきまで涙目だったくせに、きらきらの目で懇願ですが


しょうがない、近所だけだぞ~


たよられると弱いいぬばか



準備して外へ出る



近所の小学校まで


ルンルンお出かけ気分のいぬを抱きかかえて散歩



お、見てごらん


小学生が外で雪合戦しているよぉ~



子供「あ、犬だ!」



三人くらいの子供が愛犬に気付いて猛ダッシュ!


あああ、ガキのうざいテンション来たぁ!



子供「すごーい、かわいい!!」


子供「大人しい~、黒ーい」



周りを囲まれて、子供と同じくらいテンションMAXになるうちの犬



しっぽが!


しっぽが取れるからやめなさい!


ってか、そんなに振ったら俺がくすぐったいから



仕方ないから地面に置いてあげる


しっぽで雪かきでもすりゃいいじゃない



子供「わぁぁぁぁ!」



一斉にテンションMAXな子供たちといぬ


5メートル範囲内を駆け回る



吠えないうちの犬はこういうとき大変もてる


まあ、本人が楽しそうだからいいかぁ・・・・



キーンコーンカーンコーン…



子供「あ、チャイム! ワンちゃん、またねー」


小学生らしく、音に強制で動かされている子供たち


休み時間の終わり合図に、校舎に戻っていく



あー、遊んでもらったねぇ


さ、帰るよぉ~



「た~す~け~てぇぇぇっぇぇぇっぇぇぇっぇぇ……」



さっきまで駆け回っていたくせに


涙目で訴える愛犬



肉球じんじんで一歩も動けなくなったことにいまさら気付いたらしい


どうして忘れていられるんだ!



雪に埋もれた真っ黒い犬を抱き上げて


付着した白いものを払い落す



ブルブルブルブル


「し~に~か~け~たじゃないぁぁぁぁ……」



俺のせいじゃないからな!


お前だって楽しんだんだろ!



「でもでもぉ!!」



協議の結果の散歩決行なのに、口論しながら帰宅



ただいまー



家に帰って


二人でお湯を飲んで仲直り



東京の雪の日


故郷のある日常を思い出した




そんないぬばかストーリー