その日がやってきた。
人の試合のセコンドに付くのは知っていた。
会場に入る前にほんの数分会えたらいいな?って言っておいた。
キックボクサーに会える時間は10分ほど。
その日は神棚に何度も手を合わせた。
自分の思いがちゃんと伝えられますように。
自分の言葉が相手の心に刺さりますように!
わざわざそれだけのために会場に来てもらうなんて!っと、当日車で行くから、我が家の近くで会いましょうか?と言ってくれたキックボクサー。
車だと時間が見えない。
高速道に乗って渋滞にはまって、試合にまにあわないなんてことになったら大変だ。
「その日は都心に用事があるから」とでまかせを言って、試合会場で待ち合わせ。
「どうしても直接会って話したい!」って言ったせいかなんか、緊張している。
「4月から独立して仕事していくって聞いたから、直接会って、おめでとうが言いたかった」
っていうと
「そんなことで?」なんて驚いている。
当たり前じゃない!
新しい人生の始まりだよ。人生の転機じゃないの。。
大きな局面に立ち会えたようで、嬉しいよ
「新しい仕事は誰かと一緒にやるの?」ときくと
「えっと、一人で、気楽に」
えーーそんな大胆な。
色々それでいいの?何かあったら大丈夫なの?など沢山の言葉を飲み込んで。
「それだけの腕があれば、心配ないね」というのがせいぜい。
もう4月からの仕事も決まっているらしい。
彼の顔には、自信があふれている
もうすっかり職人さんの顔になっていた。
あっという間に10分ぐらいの時間がたって~
「これささやかな気持ちね」
ってお祝いの包みを渡して別れた。
キックボクサーの後ろ姿に、ありがとう6年間、楽しくてたまらなかった!
こんなにわくわくする感情、もう味わえないよ!
元気でね
そう心の中で、つぶやいて帰ってきた。
翌朝キックボクサーから、長文のラインが。
お祝いのお礼とともに
「改めて本気で応援してもらってうれしい」
の言葉
そう、いつも一生懸命応援してたよ。でもそれ以上に力をもらっていたから。
どんなに大変な状況でも弱いところを見せず、圧倒的なパワーで魅了する姿は、さすがだったよ
独立して、キックボクシングに費やす時間を増やしたいっていうのも実現できたらいいね。
それには相当な時間がかかるかな?
ひとまずここでお開きにして、またご縁があったら、必ずつながるね。
ありがとう生きざまも人としても、大好き。
大成功を祈っています。